なぜ三連複なのか? 前編
三連複。
正式名称は、馬番号三連勝複式勝馬投票法。
単勝、複勝、馬連、馬単……と数ある中で、私、複式呼吸が買い続けているのは、この「1着・2着・3着となる馬の組み合わせを的中させる。ただし着順は問わない」という、一見して非常に難しそうでありながら、三連単のように着順まで精密に当てる必要がないぶん、適当に三頭まで絞り込めばマグレで当たってしまいそうな、どこか中途半端な馬券種です。
なぜ私は三連複にこだわるのか?
その理由を、今週は書いていきたいと思います。
競馬を覚えたての頃、私も色々な馬券種を試しました。
いまひとつ予想法の掴めなかった枠連以外は、すべて試したはずです。
2015年、東京競馬場で現地観戦した日本ダービーで、平場の負けを取り返そうと、最終オッズ単勝1.9倍のドゥラメンテに、私としては思いきって5,000円を突っ込み、なんとか収支をプラスに転じさせたのも良い思い出です。
あのとき、生まれて初めて賭けた5,000円という、ある程度のまとまった額を2分かそこらで失ってしまうかもしれないことへの恐れで、足が竦む思いをしたものでした。
そして予想通りドゥラメンテが力強く第4コーナーから坂を駆け上がってきて、後続に1馬身以上の差をつけて先頭でゴールしたときには、2分前の不安がまるで嘘のように、脳内麻薬でも打たれたような昂奮を覚えたものです。
しかし、いま思い返してみると、あのような買い方は、私にはもう二度とできないと思います。
競馬場に行けば、1日11レースから12レース。
自宅でテレビ観戦する場合、2場開催の午後のレースだけでも10レース以上。
カタいと思った単勝に賭けてみても、外れるときは外れる。
ましてや初心者に、馬単や馬連といった複数頭の馬を当てるなど、どだい無理な相談でした。
かといって、複勝では配当が低すぎる。
一度や二度は続けて当たることがあっても、いざ外れた場合の損失の割合が大きくなるので、的中率を限りなく上げなければ、恒常的な回収率をプラスにすることはできない。
気がつけば、負けが込んでいる。
生来ケチな私は、たとえ数百円であれ現金を失うことに堪えられず、考えました。
どうすれば負けないのかと。
そしてたどり着きました。
馬券の最小購入単位は100円である。
ならば、賭け金を100円に絞れば、負けも最小に抑えられるのだと。
(実は、1週100円~200円という自分なりのルールには、他にもいくつか理由があります。その理由はいずれまた、書いていきたいと思います)
後編につづく