なぜ三連複なのか? 後編
さて、100円で最大の収益効果を上げるには、どうすればよいか。
前回書いたように、年間に賭けるのは約52レース、出資総額は約10,000円
。ということは、年間で1回でも万馬券を出せればプラスになるわけです。
そこで私は、JRAのホームページで過去の払戻金一覧とにらめっこする
ことになりました。
単勝万馬券といえば、競馬ファンが誰もが一度は夢見るロマンですが、実
際にはなかなか出現しないし、それを狙い撃つすることはさらに難しい。
厳しい勝負の世界、1着に入るには相応の実力がないとやはり難しいので
はないかと思います。
馬連、馬単ならまだ万馬券が出現しないこともないですが、配当としては
まだまだ物足りないうえに、やはりコンマ数秒を争う世界、2着までに入る
ハードルもまた高いように思えてなりません。
となると、目に入ってくるのはやはり三連複・三連単の高配当です。穴馬
でも3着までに入ればいいのだから、馬連・馬単よりは、展開が向けば馬券
に絡む確率が高くなる。
そう考えたのです。
現代競馬の馬券の主流は、三連単だとよく言われます。
なんといっても、WIN5を除くすべての馬券種の中で最高額の配当は魅
力でしょう。
着順まで当てなければならないため、多くの人がマルチやフォーメーショ
ンといった買い方に工夫を凝らすところも、戦略性を高めていて面白いのか
もしれません。
しかし、三連複と三連単を見比べて、私は三連複を選びました。
なぜか?
というのも、一見高いように見えて、じつは三連単の配当が「安い」よう
に思えてならなかったからです。
馬連と馬単の配当を比べたとき、おおよそ馬単は馬連の2倍の配当がつい
ています。
考えてみれば当たり前の話で、A⇔Bの馬単を表裏100円ずつ計200円買う
ということは、A-Bの馬連を200円買うことと、ほとんど同じような行為と
看做せます。
(もちろん、1着馬の人気によって馬単の表と裏で配当に変化がつくわけで
、そこが馬単の妙味でもあるわけですが、馬単表裏のオッズの平均値は、や
はり馬連2口の払戻金と確率上は同じくらいになるはずだと言えます)
では、三連複と三連単の配当はどうか。
着順を問わない三連複に比べて、三連単は着順まで当てなければならない
ため、三連複1口と同じ買い目をカバーするには、三連単は都合6口が必要
になります。
であれば、三連単は三連複の6倍の配当がついて然るべきです。
ところが、実際の払戻金は、6倍にならないことも多い。
特に1・2着がカタい馬で決まった場合には、たとえ3着に穴馬が来ても
、三連単としての旨みは少ない。
前述したように、きわどい勝負の世界、3着に入るより1・2着に入るこ
とのほうが当然難しいわけですから、穴馬が1・2着に出現する機会は少な
い。
その点、三連複は着順を気にしなくてもいいわけですから、穴馬はたとえ
マグレでも3着に引っかかってくれればいいわけです。
ましてや、こちらの出資金は100円と決めている。三連複より6倍難しい三
連単を買って、レース後に「三連複なら当たっていたのに……」と悔いるの
も癪でした。
幸い、三連複の配当は平均すると25,000円程度になる。
1発でも万馬券を当てれば、その年の収支はプラスが確定するというわけ
です。
私の三連複100円一本勝負は、そういった経緯でスタートしました。