【2016年プラス収支!】 三連複100円一本勝負

【12月24日 阪神カップ的中!】2016年は40,000円以上のプラス収支。ご意見・お問い合わせはこちらまで → sanrenpuku100yen@gmail.com

お知らせ

 

「レジまぐ」の連載『少頭数複式馬券法』を読みやすいダウンロードファイルにまとめました。
 指数や印は「note」で引き続き無料公開していますが、私の理論とその根拠をご自分の予想の背景に取り入れたいという方は、もしよろしければご購読ください。


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引っ越します。

 こんばんは。複式呼吸です。

 さて、突然ですが、当ブログのコンテンツをnoteというサイトに引っ越して続けることにしました。

 新しい掲載先は、以下になります。

 

 複式呼吸 | note

 

 2017年下半期からは、毎週三連複に200円を賭けていた形式を変更し、勝負レースをひとつに絞って単勝1点・三連複1点の計200円を公開することにしました。

 中・長期的な観点から、より収支の安定を目指して。

 引き続き、よろしくお願い致します。

 

宝塚記念 三連単一本勝負


【予想】

◎ 11 サトノクラウン
○ 10 キタサンブラック
☆ 1 ミッキーロケット


【買い目】

三連複 2-5-11 100円
    1-2-11 100円

三連単 11→10→1 100円
    11→1→10 100円


 例によって「キタサンブラックの倒し方」を考え、三連複100円で夢を見る――
 当初は、そう考えていました。
 どんなにキタサンブラックが強かろうと、初志貫徹すべきではないかと。

 一旦は「2-5-11」と「1-2-11」の三連複2点まで絞り込みました。
 単純に考えて、三連複の的中率は三連単の6倍。
 本稿の連載主旨に沿って三連複で夢を見たいという方には、上記2点をオススメします。

 しかし、このキタサン外しの買い目では、どうしても私が私自身を納得させることができませんでした。
 少頭数レースの複勝を研究している者として、キタサンブラック複勝率はどう考えても80%以上は有り得る。
 初めから残りの2割を狙っていくには、穴党としたって抵抗があります。

 やはり、キタサンは外せないかもしれない――
 その予感は、土曜日の阪神9R、「少頭数複式馬券法」で☆指定したケンホファヴァルトの好騎乗を見た瞬間に、確信に変わりました。
 詳しくは「少頭数複式馬券法」の結果報告記事に書きましたが、あのレースは完全に宝塚記念の予行演習だったといっていいと思います。

 ただ一方で、キタサンブラックを頭(1着)から信用していいかというと、話は別。
 詳しくは土曜日の結果報告記事に書きましたが、統計的に、単勝1倍台の馬の複勝率は特筆すべきほど高いのですが、じつは勝率自体は意外にも低いのです。
 現に、昨年の宝塚記念も逃げて粘りきれずの3着。
 まして今回は道悪となることがほぼ確実で、コースロスがある外枠も、これまで内枠を引き続けてきた強運の先行馬にとっては割引材料です。
 今年も2着、あるいは3着と苦杯を舐める可能性は充分に考えられます。

 さらに決め手となったのは、芝2,000m→3,200m→2,200mという新設3冠の過酷なローテーション。
 天皇賞(春)をハイペース先行(4角先頭なのでほとんど逃げ)でレコード勝ちした反動は、やはり残っていないとは限りません。
 これに付き合ったシュヴァルグランゴールドアクターにも疲れがないとはいいきれず、三連複の相手にするには若干の心許なさがありました。

 そこで私は、キタサンブラックを2着・3着付とする三連単で2点まで絞り込むことにしました。
 というのも、今週月曜日からずっと宝塚記念の考察を続けてきて、キタサンを負かすことができるとしたらこの1頭しかあるまい――と心に決めた本命馬がいたのでした。

 それが◎サトノクラウンです。
 大外8枠11番を引いた瞬間に、本命にする決意を固めました。

 そもそも阪神芝2,200mという「コース」に有利なのは内枠です。
 過去3年で、2枠(7-3-7-39)で複勝率30.4%。
 複勝率が30%近くあるのは5枠(7-11-2-44)の複勝率31.3%までで、8枠に関していえば(5-7-3-69)で複勝率17.9%。
 
 この点だけ見れば、キタサンブラックサトノクラウンもむしろ不安視されてしまいそうです。
 しかし、各紙がこぞって喧伝しているように、この宝塚記念という「レース」に有利なのは、紛れもなく8枠でもあります。
 過去10年で(5-1-1-16)で複勝率30.4%は優秀です。
 特に近年はこの傾向が顕著ですね。

 理由はいくつか考えられます。
 3回阪神8日開催の第11R、Bコースの使用で内ラチ沿いが荒れていること。
 レベルが落ちる条件戦などと違い、バケモノみたいな強い外差しの馬が台頭してくること。
 他馬を見ながら競馬ができるのも、2,200mという長丁場での利点かもしれません。

 となると、キタサンブラックを差せる「バケモノ」といえば、先週も海外G1を勝ったあのハイランドリールをも下した、香港ヴァーズの勝ち馬サトノクラウンが真っ先に挙がります。

 稍重(2-0-0-1)、重(1-0-0-0)で、唯一の着外も昨年の宝塚記念6着ですから不安はありません。
 しかも全成績は(5-0-1-5)。
 三振かホームランか、いかにも単勝向きの馬といえそうです。
 5歳になって一層の成長が見込めれば、キタサンが作った道を外から差してきて波乱を演出しても驚けません。
 前走478kgと少し体重を落としていたことも敗因のひとつ。
 海外帰りで京都記念を勝った2走前のように490kg近くあれば、迷わず頭に推したいと思います。
 今週、調教も軽めのメニューをこなし、輸送対策も万全。
 関東馬だからといって見限るのは早計です。

 ○キタサンブラックは、言わずもがな。
 1着に来てしまったら仕方がないというスタンスで、2・3着を狙います。

 そして悩みに悩んだ末の穴馬は☆ミッキーロケット。
 前走大阪杯天皇賞(春)を使っておらず、中11週ですが余力は充分と見ます。
 しかも、大阪杯では今回と同じ1枠1番を引きながら、ゲートで出遅れて二の脚がつかず、キタサンブラックの強いペースに付き合わされることなく追い込んで7着。
 それでも上がりは33.9秒(メンバー3位)としっかり使っており、今回の大阪杯組の中では最速です。
 出遅れせずに内枠1番の利を活かして、イン突きの鋭い一発を期待します。

 1枠1番の差し馬は依然として包まれる心配もありますが、隣のゴールドアクター、スピリッツミノルがキタサンブラックのペースに付き合って潰れてくれれば、活路が開けないとも限りません。

 1枠について、有利なデータもいくつか存在します。
 前述したように、この「コース」に限れば明らかな内枠有利。
 加えて、じつはこの「レース」に限った場合でも、1枠は好成績を残しているのです。
 過去10年で(1-0-4-11)で、複勝率31.3%。
 複勝率が30%を超えているのは1枠と8枠だけであり、複勝率に関していえば僅かな差で1枠のほうが上回ってすらいるのです。
 作戦を明確にしやすい極端な枠が、着に結びついているのかもしれません。

 加えて、24日(土)のレース。
 思い起こせばケンホファヴァルトを駆る武豊騎手も、あの垂水Sをコースレコードタイで勝った「バケモノ」シルバーステートも、ともに内ラチ沿いを通って伸びていきました。
 道悪になれば状況が変わるにせよ、開催最終日の前日となっても、芝の内側はそれほど傷んでいない可能性があります。
 少なくとも、ケンホファヴァルトやシルバーステートのような強い馬であれば、内も外もそれほど関係ない。
 武豊騎手は、その確認のために内ラチ沿いを走らせていたのかもしれません。

 ではミッキーロケットはどうか。
 ここで、日刊スポーツから2つの記事を引用させていただきます。

 ***

 出遅れ癖があるため生野助手は「どこでもいいと思っていたが、できれば偶数枠が良かった」と話す。

 7着に敗れた前走・大阪杯の後はゲート練習も積んできた。「練習では悪いことをしないんですよ。実戦でもうまく出てくれれば」と切望。

  ――6/22(木) 16:30配信

 ***

  音無師は「前走と比べても状態は悪くないよ。ただ、ゲートに不安があるので、偶数の外枠が欲しかった。良馬場なら1枠1番でも良かったんだけど、道悪ではやりにくいからね。水の浮いた馬場も走ったことないし…」と渋い表情だった。

  ――6/24(土) 17:41配信

 ***

 マイナス発言のオンパレード。
 出遅れ癖はやはり致命的ですから、人気になっていないのも頷けます。

 しかし邪推をすれば、陣営はこの馬の強さを意図的に「隠している」ともとれます。

「できれば偶数枠が欲しかった」
 たしかに駐立時間の短い偶数枠のほうが有利ではありますが、今回は少頭数。
 有利不利はそれほど大きくはありません。

「練習では悪いことをしないんですよ。実戦でもうまく出てくれれば」
 本当は自信あるんじゃないの? と穴党らしく勘ぐってしまいます。

「道悪ではやりにくいからね。水の浮いた馬場も走ったことないし…」
 何をおっしゃいますやら。
 稍重(1-2-0-1)、重(0-1-0-0)で、唯一の着外も2走前の京都記念サトノクラウンに0.3秒差の3着。しかも上がりは最速の34.5秒。
 この数字をどう説明されるのですか?

 そして極めつけは調教。
 6月21日(水)の栗東坂路(不良)で「52.9-38.3-25.5-13.2」。
 道悪でも3ハロンは38秒台前半で、しっかり走っているじゃないですか。
 調教駆けするとはいえ、疲れの少ない中11週での坂路主体のしっかりした乗り込みで、パワーの要る道悪馬場をこなす力をつけていると推測できます。
 4歳の上積みにも期待です。

 4歳で58kgを背負うというのがややネックではありますが、480kg前後の大型馬なら相対的に不安は薄れます。
 坂路調教の成果を活かし、スタートが決まれば強気の先行・好位差しも、この馬ならばありうるかもしれません。
 和田騎手の一瞬の判断に期待します。

 以上、キタサン2・3着づけの三連単で想定オッズは200倍程度と400倍程度。
 キタサン絡みの三連単は売れすぎており、これでも配当妙味は低すぎですが、自分の予想を最大限に反映させるならこの2点しかないと信じることにします。
 

ユニコーンS 三連複一本勝負


【予想】

◎ 15 サンライズソア
○ 2 ハルクンノテソーロ
☆ 6 ラユロット


【買い目】

三連複 2-6-15 100円


 NHKマイルCで2着のリエノテソーロが1番人気。
 しかし、ちょっと待ってください。
 過去10年のデータを紐解くと、前走NHKマイルの馬は過去10年で(0-0-1-12)。
 前走芝の馬に広げても、2着1頭が最高で、勝ち馬は出ていません。

 反対に、1・2・3着を独占した2015年をはじめ、好成績を残しているのが青竜S。
 ただ、今年の青竜Sは重馬場、おまけに6着までに5番人気以上が絡まない大波乱で、
「レベルが低い」
 と捉えることは可能です。
 事実、同レースで2番人気7着だったサクレエクスプレスが、今週行なわれた関東オークス(川崎)で6着と惨敗。
 やはりレベルが低かったのではないかと疑われてしまいます。

 しかし、能力通りの決着だったとすれば、サクレエクスプレスの惨敗も物差しにはなりえません。
 東京競馬場ではパラパラと雨が降り出したという情報もあり、これからの雲行きを鑑みても、稍重で行なわれた2015年の再現があるかもしれません。

 ということで本命は、青竜Sの勝ち馬◎サンライズソア。
 外枠有利の東京ダート1,600mで、芝で1勝の行き脚をつけて積極的な先行を期待します。

 対抗は、青竜S2着の○ハルクンノテソーロ。
 タイム差なしで同3着のシゲルベンガルトラと迷ったのですが、シゲルは前走逃げ。
 前走逃げの複勝率は意外と低いので、割り引きました。
 ハルクンノテソーロは内枠の差し馬で包まれる心配はあるものの、DM指数では上位であり、東京ダートでは(1-1-1-0)と複勝率100%。
 前走、上がり最速の末脚も考えれば、単勝6番人気付近に甘んじている馬ではありません。

 穴馬は、シゲルベンガルトラにしてもよいのですが、人間、考えることは同じなのか、2-9-15の買い目は100倍に届かず、やや売れすぎな印象です。
 そこで、青竜S組以外から☆ラユロットとしました。
 新馬戦以来、芝を使われてきて、芝に限れば(1-2-0-1)。
 G2・フローラSでは大敗を喫したものの、変わり身を期待された前走、初ダートで上がり最速の追い込みを見せて1着。
 今回が昇級初戦ではあるものの、まだ底を見せていません。
 前走の馬場が稍重でしたから、今日の雨も味方してくれるかもしれません。
 一度ダートを使って適性を見せているからこそ、初ダートのリエノテソーロよりむしろ信頼が置けるともいえます。 

函館スプリントS 三連複一本勝負


【予想】

◎ 10 シュウジ
○ 6 クリスマス
☆ 9 レヴァンテライオン


【買い目】

三連複 6-9-10 100円

 本命はセオリー通り1~3番人気の内から、阪神カップでも万馬券をくれた◎シュウジ
 函館は1戦して2着1回。
 強気の先行で前残りを想定して、三連複を組んでいきます。

 対抗は○クリスマス。
 名前こそ季節はずれですが、
「夏は牝馬
 といわれる通り、この時季の牝馬らしい安定感は魅力。
 内寄りの偶数枠で、好位先行を期待します。
 函館は(3-0-1-0)の得意舞台。
 軽視は禁物でしょう。

 穴馬は☆レヴァンテライオン
 前走はダートで大敗していますが、2~4走前はすべて重賞。
 京王杯2歳S、朝日杯FS、アーリントンCに引き続き、いつか穴を開けるものと信じて狙い続けてみたいと思います。
 おまけに、5走前は函館芝1,200mのG3・函館2歳Sを快勝。
 3歳牡馬で、まだまだ力強さの点では心許ないにせよ、重賞勝ち馬が斤量52kgなのは有利に働くはず。
 前走482kgと、馬格は充分。
 G1馬セイウンコウセイの56kgばかりが話題となっていますが、3歳も負けてはいられません。

安田記念 三連複一本勝負


 ※当記事は、レース当日未明時点での予約配信です。
  人気やオッズなどは締め切り直前のものを参考にしてください。

【予想】

◎ 15 イスラボニータ
○ 6 レッドファルクス
▲ 8 エアスピネル
☆ 11 ブラックスピネル
☆ 16 ロゴタイプ


【買い目】

三連複 6-8-15 100円
    11-15-16 100円


 ここらでちょっと当てにいきたいこともあり、自作の「少頭数複式馬券法」の指数で計算したところ、本命筋は単勝1・2・3番人気(レース当日未明現在)という、つまらない組み合わせになってしまいました。
 ただ、混戦といわれている今回の安田記念、三連複の人気も割れていて、6-8-15の組み合わせでも20倍近くつくのではないかと予想しており、案外、2点買いの1点とするには妙味があるのではないかと思います。

 本命馬は、阪神カップ万馬券を演出してくれた◎イスラボニータ
 DM指数も完璧、おまけに外枠ですが、きのう3日(土)の東京では芝の直線で外が伸びていました。
 顕著だったのが、私自身も◎サンクロワで稼がせていただいた東京9Rの国分寺特別。
 4コーナーを2番手で回ってきた同馬と戸崎騎手は、内に寄ることもできましたが、あえて外を選んで鋭く伸び、鞭3発+最後の見せ鞭で快勝していました。

 サンクロワ自身が強い馬だったからこそできる芸当であり、外が伸びる伸びると言われていながら届かなかった先週のアドミラブルの例もありますが、それにしたって外枠を理由に買い控える層が一定数いるとすれば、そこに配当の妙味も生まれてきます。

 ○はレッドファルクス
 距離不安は依然として囁かれているものの、とはいえG1馬。
 スプリンターズSで私に4万馬券をもたらしてくれた馬でもあります。
 前走、道悪の1,400mでも勝っており、距離不安から買い控える層が一定数いるとすれば、やはり妙味ありと言えそうです。

 ▲エアスピネルも、年明けの京都金杯でマイル戦線に転向して以降、1着→3着→2着と重賞で複勝圏内を外しておらず、4歳馬ながら(3-2-3-3)はいかにも三連複向きの成績。
 G1でも充分に期待できます。

 ただ、本線を堅くする一方で、穴馬は闊達に選んでみました。
 とはいえ、いずれ劣らぬ実力馬です。

 ☆ロゴタイプは、そもそも昨年の安田記念の勝ち馬。
 不人気サイドに甘んじているべき馬ではありません。
 展開的には、ロゴタイプイスラボニータを引っ張ってきて、伸びる外を通って連れ立って入線という青写真も描けるのではないかと思っています。

 もう1頭☆ブラックスピネルも、京都金杯エアスピネルにタイム差なしの2着ですから、ポテンシャルにさほど開きはありません。
 こちらも先行力旺盛な松山騎手に乗り替わり、イスラボニータロゴタイプとともに積極的な先行策を展開してくれれば、前残りがあるのではと思います。

競馬新聞と競馬実況


 最近、有料記事にかまけてばかりいるので、たまには無料でコラムというか、雑文を。

 先日刊行された本村凌二マイク・モラスキー著『「穴場」の喪失』(祥伝社新書)には、競馬ファンにとって、なかなか興味深い話が多く書かれています。

 その中で興味深く感じたのは、競馬新聞に関する鋭い知見でした。
 早大教授の本村氏は、このように述べています。

「日本の競馬新聞は実によくできています。あの小さな升目のなかに、馬体の情報、過去の成績など、精密なデータがほとんど入っています。イギリスやフランスの競馬新聞では、一レースを検討するのに紙面を二、三枚ひっくり返さなければなりません」

「これは、漢字文化圏の勝利と言っていいでしょう。アルファベットは二十数文字しかないため略号に限界がありますが、数千あるいは数万ある漢字は略号も無数に作れます。たとえば、京都競馬場「京」小倉競馬場は「小」になりますが、アルファベットではどちらも「K」になり、区別がつきません」

(以上、第三章「ギャンブルと文化」より引用)

 ……なるほど、と膝を打ちました。

 普段なにげなく使っている出馬表ですが、言われてみればたしかに、物凄く多くの情報量をコンパクトにまとめていたんですね。
 以前、競馬を始めたばかりの職場の同僚女性に競馬新聞の読み方をイチから教えたことがありますが、説明する事項が多すぎて、かなり骨の折れる作業でした。
 私自身、改めて良い勉強になったと思います。
 意外と、いつも見落としている欄に重要な情報が転がっていたりするので、ときどき初心に立ち返って、出馬表をくまなく見て勉強し直してみるのも面白いかもしれません。

 ちなみに、情報が凝縮されているのは文字情報だけではありません。
 
 同書に、目が不自由だけども週末の楽しみに競馬場に行く――という人の話が出てきます。
 その感覚、なんとなくわかるような気がします。

 幼い頃から父が競馬を見ている横で育った私にとって、ある意味で競馬の実況は子守唄のようなものでした。
 次から次へと澱みなく繰り出される言葉の数々、小気味良い調子と随所に差し挟まれる的確な情報、そして3コーナーから直線にかけての盛り上がり。
 画面を見ていなくても、まるでレースの様相が目の前にまざまざと浮かび上がるかのようです。
 子どもの頃から、意味がわからないなりに、競馬実況を聞くのは好きだった記憶があります。
 あらゆる情報を紙で、そして音声で網羅し、伝える努力を続けてきたからこそ、日本の競馬文化はここまで発展してきたのかもしれません。

「ギャンブルの良さは、……一〇〇円でも賭けることにより、スペキュレーション(分析、推察)に真剣味が帯びることです」

 とは、同書の帯にも引用されている本村氏の言。

 競馬はお金の奪い合い、金融ゲームですが、もう一方で推理ゲームという側面もあります。
 金融ゲームは参加者同士との戦いですが、推理ゲームは己との戦いです。
 いかに的中率を上げていくか、いかに少ない買い目で当てていくか。
 楽しみは尽きません。

 今日も競馬を楽しんでいきましょう。
 

 

「穴場」の喪失(祥伝社新書)