【2016年プラス収支!】 三連複100円一本勝負

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調教の勉強、始めました。

 
 先週の阪神牝馬S、桜花賞の結果は以下のとおり。


阪神牝馬S 予想】

◎ 6 ミッキークイーン → 1着
○ 4 クロコスミア   → 4着
▲ 2 クリノラホール  → 11着


桜花賞 予想】

◎ 14 ソウルスターリング → 3着
○ 6 リスグラシュー   → 2着
☆ 9 ゴールドケープ   → 13着


【当連載の収支】

+7,910円


 本命・対抗の2頭はそれぞれ掲示板に絡んでくれたので、あとは穴馬の激走を待つだけの形。ギャンブルとしては理想の展開で、まずまず見ていて楽しめました。

 さて、今週は公私ともに忙しく、土曜の配信ができませんでした。申し訳ありません。
 その代わりというわけではないですが、今日は皐月賞が行なわれる中山競馬場の10レース、11レースを予想していきます。

 ところで、過去5走の着差・タイム・脚質・ペースを重視している私が、先週から重い腰を上げて、ようやく調教の勉強をしています。
 教科書は、調教を重視している予想家・井内利彰氏の著書『増補改訂版 競馬に強くなる調教欄の取り扱い説明書』(ガイドワークス)です。

 で、先週の桜花賞をサンプルに色々と数字をこねくり回してみた結果、あくまで私の独断と偏見に過ぎませんが、結論から言いますと、
「やっぱり調教時計はアテになりそうにない」
 というのが正直な感想でした。

 そもそも、調教の定義は、
「1ハロン15秒以下の速いペースで負荷をかけること」。
 たとえば栗東CWで3ハロン39秒で入ってきたとしても、結局のところ本番のレースでは芝(良)の場合、上がり33~34秒の決着になるわけですから、かかる負荷の度合いが違います。
 馬によって追い切りのコース・馬場状態・時間帯・馬場の何分どころを走ったかも違いますから、素人には比較のしようがありません。

 また、調教時計の分析はどうしても「折り合いがついているか」「終い最速になっているか」に終始しがちです。
 実際、井内氏が前掲書で唱える「ダブル最速」の理論も、調教の「終い最速」と過去走の「上がり最速」が判断基準となるため、必然的に差し馬が良く見えてきてしまいます。
 基本的に先行有利な現代競馬において、たとえば「ラスト1F11秒台」の価値がどれだけあるかと考えると、疑問符がついてしまいます。

 角居勝彦調教師が上梓したばかりの新刊『競馬感性の法則』(小学館新書)にも、こんな一節があります。

「昔の調教欄は分かりやすかった。各厩舎とも、同じような強い追い切りをこなしていて、調教欄を比べれば、馬の能力差がだいたい分かったものです。(中略)
 でも、今は分かりにくくなっている。
 厩舎ごとに調教パターンが違うからです。目ぼしをつけた馬が2頭いるとして、馬場条件が同じでも、タイムの良いほうが強い、とはなかなか言い切れない。
 調教には明確な目的があり、当然それは厩舎によって、競走馬によって異なります。
 タイムを出したい調教もあれば、そうでない場合もある」

(『競馬感性の法則』第4章 第3節より引用)

 現役の調教師が言うのですから、真実の一端を突いているのではないでしょうか。

 ただ、私が先ほど「アテにならない」と書いたのは、あくまで「調教時計」の話。
 素人なりに調教の「明確な目的」を推理するために、ウッドチップ・ポリトラック・坂路といったコース形態や、単走・併走・3頭併せといった他馬の頭数、また先行・併走・追走といった他馬との位置関係は材料になりえると思われます。
 また「まっすぐ走れているか」も見た目でわかりやすいポイントのひとつでしょうか。

 たとえば皐月賞1枠1番のマイスタイルの最終追い切りはしっかり先行して「抜かせない」ことが目的と思われます。
 2番スワーヴリチャードは、直線で少しヨレたように見えるのが気がかり。
 そして3番コマノインパルスは……3頭併せで古馬を相手に遅れたことが、人気を落としている要因のひとつと思われます。
 しかしながら、前掲の『競馬感性の法則』には、
「3頭併せの調教はゴール板を越えてからが大事」
 という言葉もあります。
 もうひと追いで狙いどおりの分量の負荷をかけた可能性もあり、軽視は禁物です。
 結局、プロのやっていることなんて、我々素人にはわかりっこないと言ってしまえば、それまでなのですが。

 

 

増補改訂版 競馬に強くなる調教欄の取扱説明書

増補改訂版 競馬に強くなる調教欄の取扱説明書

 

 

 

競馬感性の法則 (小学館新書)

競馬感性の法則 (小学館新書)

 

 

桜花賞 三連複一本勝負


2017年4月9日(日)阪神11R
サラ系3歳オープン 牝 定量
芝右1,600m 17頭 15:40発走

 

【予想】

◎ 14 ソウルスターリング
○ 6 リスグラシュー
☆ 9 ゴールドケープ


【買い目】

三連複 6-9‐14 100円


 個人的な事情により9日(日)の当日配信ができないため、前日時点での予想をお伝えしたいと思います。

 ◎ソウルスターリングについては、何も言うことはないでしょう。
 3歳牝馬G1で何が起こるか未知数とはいえ、さすがにこの馬を外すわけにはいきません。
 基本的に先行有利な競馬という競技にあって、常に4コーナーを5番手以内で回して他馬を寄せつけずに完勝する姿は圧巻そのもの。
 よく、一昨年のルージュバック、昨年のメジャーエンブレムと、断然の1番人気を背負って大敗した関東馬が引き合いに出され、ソウルスターリングも磐石ではないとする意見もありますが、過去2年はいずれも控えての負け。
 道悪で差しが届かない展開になればなおさら、複勝圏内には入ってくるものと信頼できます。
 雨で内の馬場が荒れるとすれば、7枠14番から被せていけるところも魅力です。

 相手は○リスグラシュー
 じつは、それほどソウルスターリングとは差がないのがこの馬だと私は思っています。
 2走前の阪神JFではソウルスターリングに0.2秒及ばず2着でしたが、1枠2番で先行したソウルスターリングに対して、リスグラシューは大外8枠18番のコースロスがありながら差しての1馬身差。
 上がり3ハロン34.5秒は、ソウルスターリングより0.3秒早く、もちろんメンバー最速でした。
 そして前走チューリップ賞は0.4秒離されて3着と負けたことで、今回人気が下がっていることも狙いたい一因です。
 ソウルスターリングと2馬身離れたとはいえ、それも同じ王道ローテを組んでいて、3ヶ月の休み明け、叩き初戦でのこと。
 走破時計は1:33.6と、2走前よりきっちり0.6秒縮めています。
 ひと叩きした上積み次第では、ソウルスターリングを負かす展開もあるのではないかと期待できます。

 内枠の偶数3枠6番も好材料
 じつは、この馬で私が評価したいのは前走でも2走前でもなく、4走前の阪神1,800mで行なわれた未勝利戦です。
 3枠5番からミドルペースを3番手先行して直線抜け出すと、ほとんど持ったまま上がり最速34.4秒で駆け抜けてガンサリュート(のち京成杯タイム差なし2着)に0.7秒、じつに4馬身差をつけるぶっちぎりの快勝でした。
 馬というのは本来、集団で走る生き物なのだそうで、後ろから追い抜いて前に出るというのは、本能にはない行動らしいです。
 そのため、抜け出すと「遊ぶ」と言われています。
 あのサトノダイヤモンドでさえ、有馬記念の一連の報道で「抜け出すと遊ぶクセがある」と指摘されていました。
 その点、リスグラシューはデビュー間もない9月の2歳時で、既に抜け出しても真面目に走れるようなメンタルを身につけていたように思えます。
 基本的に脚質は差しですが、3枠6番を引いた今回、ソウルスターリングをマークして好位先行しても面白いかもしれません。

 そしてもう1頭は、阪神JFフィリーズレビューと続けて☆を打ち続けてきた期待の穴馬☆ゴールドケープ。
 前走のフィリーズレビュー、見事3着と大健闘して優先出走権を掴み取ってくれたときから、この馬を買おうと決めていました。
 1着カラクレナイに0.3秒差、2着レーヌミノルにも0.1秒差負けてしまったものの、本来なら先行意識の強いはずのこの馬が、7枠13番からハイペースとなるや器用に控え、上がり最速の34.4秒(カラクレナイと同タイム)で追い込む展開となりました。
 折り合いをつけることを覚えて走りの幅を広げ、しっかりと決め手があるところも見せてくれたという意味では、3ヶ月の休み明け初戦、とても意義ある3着だったと思われます。
 2勝はともに先行して挙げていますが、前走により追い込んで(0-0-1-1)、差しても(0-0-1-1)となりました。
 もちろん桜花賞では先行してほしいところですが、自在性を獲得できたのは強みです。
 人気薄のショーウェイや大外カワキタエンカなどに逃げる可能性があるので、折り合いをつけて好位差しの末脚を見せてくれれば、3着までなら大いに有り得ると期待しています。
 
 3走前の500万条件(京都芝マイル)では、重馬場でハイペースながら先行してディアドラ(のちアネモネS2着。桜花賞では8枠17番)に2馬身差、上がりも最速の快勝を収めており、道悪の心配もありません。

 

 

競馬感性の法則 (小学館新書)

競馬感性の法則 (小学館新書)

 

 

阪神牝馬S 三連複一本勝負


2017年4月8日(土)阪神11R
サラ系4歳上オープン 牝 別定
芝右1,600m 16頭 15:35発走


【予想】

◎ 6 ミッキークイーン
○ 4 クロコスミア
▲ 2 クリノラホール


【買い目】

三連複 2-4-6 100円


 まずは1~3番人気から、昨年のこのレース2着馬◎ミッキークイーンを外すわけにはいきません。
 しかも昨年は、スマートレイアー(のち京都記念2着)にタイム差なしの2着。
 走破時計1:33.1は申し分なく、上がり33.3秒もメンバー最速でした。
 おまけにスローペースを追い込んでのクビ差には価値があります。
 今年、昨年より斤量1kg減で臨めるのも有難い点です。

 エリザベス女王杯クイーンズリングに負けたとはいえ、同斤量で0.2秒差。
 1kgの斤量有利があれば、巻き返しは充分に可能です。
 そのクイーンズリングと人気を分けあってくれているおかげで、極端な人気にならず、配当的な妙味を見込めるのも好都合。

 唯一の懸念は、度重なる斜行から本当は買いたくない浜中騎手なのですが、レーヌミノルから降ろされ、おまけに桜花賞で騎乗予定だったサロニカが出走回避したことにより、ここに集中せざるを得なくなりました。
 土曜日は9鞍を予定しており、勝負勘を蓄えて臨めれば、逆らうことはできないように思います。

 さて、軸が決まったところで相手探しなのですが、これがかなり悩みました。
 角居厩舎の2頭出しも不気味なら、大外にはたしかな末脚を持った追込馬もいる。
 悩みに悩んだ末に、結局は有利な内枠偶数番の先行馬を選ぶという、しごく初歩的かつ機械的な考え方に行き着きました。

 人気上位馬は、8番ジュールポレールを除き、軒並み差し・追込の脚質です。
 そこで、先行馬が少なく、マークが薄くなる今回、スローペースで前残りできそうな馬を2頭選びました。
 雨の影響で道悪が予想されますので、差しが届かなくなる可能性も考えられます。
 
 ただ、先行馬のジュールポレールは人気の一角ではあるのですが、昇級初戦を嫌いました。
 前走が同距離同舞台となる阪神芝マイルで、上がり32.8秒の鬼脚を使って1馬身半ちぎった勝ち方が評価されているのだと思います。
 2走前には、今回16番の有力馬アドマイヤリードにも先着していますから、人気になるのは頷けます。
 ただ、前走の勝ち時計1:33.8は、スローペースから最後馬なりで流したとはいえ、やや物足りなくも映ります。
 初の重賞挑戦で、ペースについていけるかが心配です。

 その点、○クロコスミアは5走前、昨年のチューリップ賞で、既に阪神芝マイルで1:33.2(33.1)という好時計をマークしています。
 勝ったシンハライト(のち優駿牝馬1着など、現在登録抹消)とは0.4秒差。
 
 さらに3走前ローズSでは、シンハライトとの差をさらに縮めて阪神芝1,800mでタイム差0.0秒の2着と大健闘しています。
 おまけにこの時の芝は重馬場でしたので、道悪が予想される今回も適性は充分。
 もとは差し馬でしたが、ここ3走ハナに行っているので、前めでの積極的な競馬を期待します。

 同じくシンハライトを物差しとして、穴馬は▲クリノラホール。
 昨年のチューリップ賞は15着と惨敗でしたが、7枠14番からスローペースで追い込んでの1.1秒差で、1:33.9(33.8)でしたからジュールポレールの前走と遜色ありません。

 チューリップ賞で大敗後しばらく勝ちきれない競馬が続きましたが、次第に実を結び始め、3ヶ月休み明けの7走前から2着→3着→2着→1着→1着→1着と才能が開花し、一気にオープン入り。
 3連勝した2~4走前には、しっかり33.5→33.6→33.7の上がりも使っています。
 昇級初戦となった前走・愛知杯こそ7着に敗れたものの、7枠12番からスローペースを差して勝ち馬と0.4秒差なら、悲観するほどでもありません。
 中11週と、使いづめの疲れもあまりないはず。
 重賞のペースを一度経験してから臨む今回は、昨年のチューリップ賞より上積みが見込めそうです。

 

 

競馬感性の法則 (小学館新書)

競馬感性の法則 (小学館新書)

 

 

穴党こそ1点買い

 
 先週の大阪杯の結果は以下のとおり。


【予想】

◎ 7 サトノクラウン  → 6着
○ 14 マカヒキ     → 4着
▲ 13 ヤマカツエース  → 3着
☆ 3 スズカデヴィアス → 11着
☆ 9 ディサイファ   → 10着


【当連載の収支】

+8,110円


 ステファノスの堅実な先行を見抜けなかったのは痛恨の極みですが、どの馬も頑張ってくれました。
 ☆を回した2頭は着順だけ見れば残念だったものの、人気よりは上に来ていたので、まあ良しとします。

 ところで、G1ということで全頭解説をした挙げ句、5頭も印をつけた大阪杯でしたが、私が実際に購入したのは例によって三連複1点100円のみでした。

 G1ともなると実力馬ばかりが顔を揃え、どれもこれも良く見えてしまいがちなので、いきおい買い目が増えてしまうという方も、読者の中には多くいらっしゃるかもしれません。
 実際、G1に昇格した今年はJRAの売り上げも大幅に上がったとの由。
 この勝負、まんまとJRAの「勝ち」というわけです。
 
 だからこそ、私はいま一度、あえて主張したいと思います。
「勝つための最善の策とは、1点買いである」
 と。

 とりわけ、常に万馬券を狙う穴党の人こそ多点買いをすべきではないというのが、私の持論です。
 人気薄を馬券に絡めると、当然、的中率は(統計的に見れば)下がるわけですから、1点だけでは心許ないかもしれません。
 せっかく見つけた穴馬が2頭いても、両方を絡めたら的中率はさらに極端に落ちますから、いわゆる「ヒモ」として流したくなるのが人間の心情というものです。

 しかし、そこで立ち止まって単純に考えてみてからでも遅くはないはずです。

 ここで問題です。
 1番人気‐2番人気の馬連と、1番人気‐3番人気の馬連の計2点を買う本命党の人がいたとします。
 その隣に、10番人気‐11番人気の馬連と、10番人気‐12番人気の馬連の計2点を買う穴党の人がいたとします。
 さて、どちらの馬券のほうが当たりやすいでしょうか?

 答えは一目瞭然ですね。時に番狂わせが起こることもあるとはいえ、常識的に考えたら、本命党の人の馬券のほうがはるかに当たりやすいと思われます。
 ここに、多点買いの意義があります。

 つまり、多点買いとは、そのレースだけ(あるいは数レース単位の短いスパン)で「勝ちにいく」ための買い方です。
 そのため、期待値が高ければ高いほど、個々の買い目の価値が上がる。
 その価値の組み合わせによって、可能性の網を張り、結果を掬い上げていくわけです。

 一方、本命党の多点買いは、それなりのリスクを伴います。
 点数を増やせば増やすほど、そのぶん出資金が増えることになりますから、負けた時の損害額が大きくなるのです。
 お金持ちであればあるほど有利な買い方ですので、あまり大きく負けられないはずの庶民が迂闊に手を出すと、大火傷を負いかねません。

 また「勝ちにいく」ということは、「勝たねばならない」という義務が生ずるということ。
 点数を増やして出資金が膨らむぶん、回収できなければ意味がないのです。
 となると、負けた時の「焦り」が、さらなる負けを生み出しかねません。

 本命党は、的中率が見込めるだけに連敗知らずでストレスフリーなように見えて、じつはある意味「業」を背負っているように私には見えます。

 さて、翻って穴党の多点買いはどうか。
 10番人気‐11番人気の馬連と、10番人気‐12番人気の馬連は、それぞれの期待値が人気筋に比べるとグッと下がります。
 1点を2点に増やしたところで、焼け石に水、二階から目薬。
 加算される的中率はたかが知れているわけです。
 ましてや三連複ともなれば、1%に満たない確率を積み重ねていくシビアな世界。
 あれもこれもと買い集めるだけ無駄だと、私は思っています。

 買い目を1点に絞ることで、合成オッズを考える必要がなく、的中した時の破壊力を最大限に引き出すことができます。
 たとえば100円1点で払い戻し1万円の馬券を的中させれば、倍率は100倍。
 しかし三連複5頭ボックスで100円×10点を買っていた場合は、同じ買い目でも倍率はわずか10倍になってしまいます。
 これでは、単勝10倍の馬1点に賭けているのと同じこと。
 単勝万馬券のような破壊力やロマンはありません。

 また、1点買いであれば数ヶ月、あるいは1年といった長いスパンで収支を考えればいいので、「外れる」ことに不思議と耐性がつきます。

「当てなければならない」という「業」から逃れられる穴党1点買いは、案外ストレスフリーな買い方なのです。

大阪杯 三連複一本勝負


2017年4月2日(日)阪神11R
サラ系4歳上オープン 定量
芝右2,000m 14頭 15:40発走


【予想】

◎ 7 サトノクラウン
○ 14 マカヒキ
▲ 13 ヤマカツエース
☆ 3 スズカデヴィアス
☆ 9 ディサイファ


【買い目】

三連複 3-7-14 100円


 例によって今回も「1番人気=キタサンブラックの倒し方」を探っていきます。
 逃げ馬だけでもマルターズアポジー、ロードヴァンドール、そしてキタサンブラックの3頭が揃った今回。
 牽制し合ってある程度ペースが流れる展開を想定し、キタサンブラックをマークして好位追走から差せる馬を探していきます。

 ◎サトノクラウンは、2着馬に対して4kgの斤量不利がありながらも完璧な競馬をしたことを評価します。
 しかも今回、斤量1kg減。
 ミッキーロケットに対しては前走の時点で1kgの斤量不利がありながら0.3秒差突き放しており、同斤量となる今回、相手に1枠1番の利があったとしても、都合0.5秒(2馬身半)の差は詰めづらいのではないかと思います。
 おまけに前走が海外帰りの今年初戦、叩きであったことを考えれば、上々すぎる出来です。
 大舞台にめっぽう強い鞍上デムーロ騎手にも、ここは逆らえません。

 ダービー馬○マカヒキは、キタサンブラックと初対決。
 前走、サトノクラウンより1kgの斤量有利がありながら差し届かず0.2秒差で、同斤量となる今回は都合2馬身を詰めねばならず、大外枠の不利もあって印を下げました。
 とはいえこちらも海外帰りを叩いて2戦目となりますので、4歳馬の上積みに期待したいと思います。
 前走、大逃げの2頭を除けば61秒ほどのスローな展開で、キタサンブラックの作るペースに左右されない強さも魅力です。
 思えばダービーもスローペースでした。
 有馬記念キタサンブラックを負かしたサトノダイヤモンドを負かした末脚が決まれば、キタサンブラックに先着する青写真も描けます。
 鞍上ルメール騎手も「ポジションは真ん中くらいで、キタサンブラックをマークします」と明言していますから、有馬記念キタサンブラックを下したその手腕に託すだけです。


 穴馬は金鯱賞の1・3着馬で悩んだのですが、大穴☆スズカデヴィアスに賭けたいと思います。
 ▲ヤマカツエースとともにスローの展開を差して馬券に絡んだ実力は本物です。
 今回、斤量56kgから1kg増となり、ヤマカツエースとの差が都合0.4秒(2馬身)開いてしまうことになりますが、奇しくも相手は大外13番に入りました。
 対して、スズカデヴィアスが引いたのは3枠3番の好枠。
 藤岡騎手が「完全にキャラが変わっていました」と話すほど成長著しいスズカデヴィアスにとって、かなり好材料といえそうのがこの内枠です。
 というのも、前走以上に評価したいのが、2走前のオープン白富士Sでした。
 重賞ではないとはいえ、スローペースにもかかわらず1枠1番の利を活かし、冷静に内を突いて差し切っての1着でしたから、金鯱賞3着もフロックではありません。
 タイム差なしとはいえ、サクラアンプルールにも先着しています。

 また、阪神(0-0-0-4)と結果が出ていないヤマカツエースに対し、スズカデヴィアスは4戦して1勝を挙げており、右回りに関しても3勝と、コース相性の不安も減ります。
 3歳オープンすみれS(阪神芝2200)で、やはり内の2枠2番からスローペースで追い込んで勝っているように、この馬の決め手は確か。
 実際、芝を使った近4走では、上がり3ハロン3位圏内を外したことがありません。2度の金鯱賞でもヤマカツエースを上回っています。
 
 その他、もう1頭気になって仕方がないのが☆ディサイファ
 前走はトップハンデ58.5kgを背負って大外から差すコースロスもあり、今回1.5kg斤量減なら悲観するほどの着差ではありません。
 8歳で上積みは見込みづらいものの、マイル路線からの長距離再転換で、一昨年の金鯱賞(2000)2着、昨年のAJCC(2200)1着の地力を示せれば、複勝圏内もありそうな予感がします。
 2走前のマイルCSでは、ミッキーアイル(浜中)の斜行によりゴール前で立ち上がる致命的な不利(審議対象になるも覆らず)を受けて10着。度外視していいと思われます。
 小島太調教師が、
「今回は本当にいいぞ」
 と息巻く今回、まさかの一発があるか。
 怖い存在だと思います。

前走を研究する 大阪杯全頭解説(2)

 
 昨日のダービー卿CTの結果は以下のとおり。


【予想】

◎ 15 ダンツプリウス → 6着
○ 8 グランシルク  → 3着
▲ 10 ダイワリベラル → 5着
☆ 16 クラレント   → 10着


【当連載の収支】

+8,210円


 各馬とも惜しいところまで頑張って競馬をしてくれました。
 クラレントがハナに立つことは予想していなかったのですが、勝ちに行っての敗戦なので8歳馬の健闘を称えたいと思います。

 さて、昨日に引き続き、大阪杯全頭の前走レース映像を検証していきます。


有馬記念(中山右2500)組

キタサンブラック

 3戦連続となる有利な1枠1番から、スローペースで2番手先行するも、同じく先行したサトノダイヤモンドに強襲され、タイム差なし2着。
 逃げなかったのはマルターズアポジーの逃げ宣言があったためでしょう。
 斤量2kgの不利もあったので、ダイヤモンドとの決着は、まだ天皇賞に持ち越しといったところ。
 展開有利とはいえ、追い込んだヤマカツエースに0.3秒差をつけました。
 逃げたマルターズアポジーには3.0秒差の圧勝。
 
 2000(1-1-1-0)
 右(5-2-3-0)
 逃げ(2-1-2-0)
 先行(4-1-1-1)
 阪神(0-1-1-0)


京都記念(京都芝右2200稍重)組

サトノクラウン

 6枠6番から前半1000m1:00.2のミドルペース(ただし2頭の大逃げ)で、1.0秒ほど離れて3番手を追走。
 脚を溜めて直線で突き抜け、スマートレイアーに0.2秒差1着でした。
 4番手追走の2着馬とは4kgの斤量不利もありながら完璧な競馬。
 このとき58kgを背負っていたのも注目すべき点で、大阪杯は1kg減となるのも魅力です。
 
 2000(1-0-0-3)
 右(3-0-0-2)
 先行(3-0-0-2)
 阪神(0-0-0-1)


マカヒキ

 3枠3番、ミドルペースから5番手先行し、直線外を回すも、前の2頭に脚を溜められて差し届かず、0.2秒差3着。
 勝ち馬より1kgの斤量有利がありながら差し届かない結果でした。
 とはいえ、大逃げの2頭を除けば61秒ほどのスローな展開。地力は示したといえそうです。
 4歳馬の叩いた上積みにも期待がかかります。

 2000(2-1-0-0)
 右(3-1-1-0)
 先行(1-0-1-0)
 差し(3-0-0-0)
 阪神未経験


●ミッキーロケット

 8枠9番、ミドルペース(実質スローの前残り)で大外を回して差し届かず、0.3秒差4着。
 サトノクラウンより2kgの斤量有利があった一方で、展開・位置取りの不利もありました。
 同じ4歳で外めを回したマカヒキにも1kgの有利があったのですが、覆せず。
 同斤量となる今回は割引が必要かもしれません。
 2走前の日経新春杯1着のような先行もできる馬(同2着のシャケトラは日経賞1着)ですし、4走前の神戸新聞杯では阪神2,400mでサトノダイヤモンドにタイム差なし2着の接戦を演じた素質馬でもあります。
 3ヶ月の休み明けを2回使い、ここが目標と思われるので改めて。

 2000(2-1-0-1)
 右(4-5-0-4)
 先行(2-0-0-0)
 差し(2-3-0-1)
 阪神(0-2-0-0)


◆チャレンジC(阪神芝右1800稍重)組

ディサイファ

 8枠16番の外から中団外を追走、1,000m58.8秒のミドルペースの展開。
 逃げたダノンメジャーは失速、先行マイネルハニーに押し切られ、ディサイファは0.3秒差9着に終わりました。
 2着ベルーフ57kg、4着フルーキー57.5kg、6着ヒストリカル57kgは内枠からの差し。
 ディサイファはトップハンデ58.5kgを背負って大外から差すコースロスもあり、今回1.5kg斤量減なら悲観するほどの着差ではないと思われます。

 2000(4-5-3-5)
 右(4-5-2-7)
 先行(5-4-1-2)
 差し(3-3-3-11)
 阪神(0-1-0-1)


小倉大賞典(小倉芝右1800)組

マルターズアポジー

 4枠7番から逃げ、1000m57.6秒の超ハイペースながらも逃げ切って、ヒストリカルに0.3秒差の非常に強い勝ち方でした。
 2走前の有馬記念で大敗してマークが薄かったとはいえ、並みの馬ではできない勝ち方だと思います。
 他の勝ち鞍ではスローペースで逃げ切っており、折り合い面での心配もないはず。
 ただし56kgを背負ってヒストリカルとは1kgの斤量有利があり、他に57.5kg、58kgの馬もいました。
 今回1kgの斤量増がどう出るかといったところです。

 2000(3-0-0-4)
 右(6-0-2-3)
 逃げ(7-1-3-8)のみ
 阪神未経験


日経新春杯(京都右2400)組

●モンドインテロ

 5枠8番から中団後方で内を追走。
 ヤマカツライデンが1:00.2で逃げるミドルペースで、最後の3・4角から外に出して差し、先行した1着ミッキーロケット、差した2着シャケトラに0.3秒差の3着。
 4角手前まではシャケトラのすぐ後ろにつけていたのですが、直線を向いたところで突き放され、内に迫ったシャケトラとミッキーロケット併せての叩き合いに参加させてもらえず。
 外を回したコースロスもありました。
 ハンデ戦でミッキーロケットより1.5kg、シャケトラより3.5kgの斤量不利があり、この着差なら巻き返しも有り得なくはありません。
 2走前ステイヤーズS(3600)でもアルバートに0.3秒差3着と持久力があるので、テン乗りの内田騎手でどこまで化けるか、侮れない一頭です。

 2000(0-0-0-2)
 右(3-0-2-0)
 先行(3-0-0-1)
 阪神未経験

ダービー卿CT 三連複一本勝負


2017年4月1日(土)中山11R
サラ系4歳上オープン ハンデ
芝右1,600m 16頭 15:45発走


【予想】

◎ 15 ダンツプリウス
○ 8 グランシルク
▲ 10 ダイワリベラル
☆ 16 クラレント


【買い目】

三連複 8-10-15 100円


 有力馬グレーターロンドンの回避で混戦模様となった当レース。
 中山芝コースといえば外差しが決まりにくく、内枠先行が断然有利とされる中で、先行できそうな馬が内側の3、4、5、6、7、9番に揃いました。
 そこで、まずは馬番1桁台の馬を検証していきます。

 有力視できそうなのが、3‐5‐7あたりの前残りの買い目。
 レース当日正午時点で18番人気、約60倍がついています。
 案外シンプルに考えたほうが的中率は高いかもしれませんが、これだけではあまり面白くありません。

 番手につきたがる先行馬ばかりということは、逆にいえば積極的に逃げられる馬もいないということ。
 押し出された馬が折り合いつかずに掛かってしまうリスクが懸念されます。

 キャンベルジュニアの前走は0:57.7のミドルペースを3番手追走して1着。
 ペースを考えれば評価できる勝ち方ですが、1600万円以下の条件戦であり、今回が再昇級初戦となります。
 ハナに立たされた場合の折り合いは未知数です。
 実際、逃げを打った昨年のダービー卿CTでは8着に沈んでいます。
 また、本日の発表によれば芝は稍重。道悪で複勝経験がないのも不安材料です。

 ガリバルディも2番手追走した京都記念で、1,000mの通過がおそらく1:00.8くらいのミドルペース。
 3馬身逃げたヤマカツライデンが1:00.2を刻んだとはいえ、後続の3着以下ともガリバルディから5馬身程度の開きがありました。
 せめてもう1~2馬身分(0.2~0.4秒程度)折り合いがついていれば、直線崩れて6着という結果よりは上に行けた可能性があったかもしれません。

 以上のことから、今回はあえて過剰人気になりそうな内枠を無視し、10番以上の外枠から長い脚を使って好位差しが狙えそうな馬を探します。
 芝の稍重・重で複勝経験があることも条件に入れます。

 まず好位差しのみならず、逃げの一発もありそうなのが▲ダイワリベラル。
 前走、4枠4番と内枠の利を活かして、1,000m1:02.5のスローペースを演出し、当レースを回避した有力馬グレーターロンドンにわずか0.2秒差の2着。
 その0.2秒差は1kgの斤量不利だったことを考えれば、手頃なハンデで1kg減となる今回、逃げが決まれば内の先行馬より期待が持てそうです。
 7走前、昨年のダービー卿CTでも7枠13番、6番手の好位から差してマジックタイムに0.3秒差4着。
 走破時計1:33.1(34.0)はダイワリベラルの1,600mの持ち時計となっています。

 ただ、3・4・5走前は控えて行き足がつかない展開でした。
 中山マイルの京成杯AHで4着と健闘しているものの、外枠のコースロスを嫌って控えた場合を危惧して印を下げました。

 対抗はどちらかというと差し・追込馬ですが、中山マイルで(2-3-1-2)と非常に堅実な○グランシルク。2回ある馬券外も4着・6着と大崩れしていません。
 G2・NZTでヤマカツエース(のち金鯱賞2連覇)に0.1秒差2着の実績もあります。
 特に4走前の秋風Sは、スローで逃げたマルターズアポジー(のち小倉大賞典1着)を追い込んで0.2秒差2着と抜群の結果でした。
 3・4・5・5着の4頭はいずれも先行馬でしたから、それらを撫で斬りにした実力は看過できません。
 このとき背負っていたのが57kgでしたから、1:33.8(34.0)で上がり2位のタイムも平凡とはいえず、上出来。
 前走も56kgを背負って中山マイルで1:33.7(34.6)で上がり3位と、しっかりタイムを縮めています。
 ハンデ55kgと軽視された今回は、さらなるタイム短縮が期待できます。

 芝(4-4-3-6)をはじめ各条件での複勝率も非常に優秀で、いかにも三連複向きの馬といえます。
 印を○に落としたのは、単にこれまで惜敗続きで勝ちきれていないというだけで、三連複の場合にはあまり意味がありません。

 そして残るは◎ダンツプリウス
 前走の大阪城Sで16着と大敗して人気が下がっているだけに、積極的に狙っていきたい馬です。
 前走16着とはいえハンデ戦で、斤量の低い相手も多くいる中で1秒は負けていません。1,800mという距離もこの馬には長そうでした。
 2走前の京都金杯で先行してエアスピネルに0.5秒差6着、時計1:33.3なら不調とまではいえません。
 5走前のNHKマイルも5枠10番のスタート、好位から差してメジャーエンブレムに0.3秒差4着。
 57kgを背負いながら時計1:33.1の時計は優秀です。

 加えて、ここまでは他競馬場の話。
 中山競馬場に限っては2戦2勝と相性抜群なのも注目すべき点です。
 6走前には、G2・NZTを今回と同じ56kgを背負って制しています。
 8走前ジュニアカップも56kgを背負ってのオープン勝ちですから、フロックではありません。
 
 できれば内枠に入ってほしかったところですが、内ラチ沿いが先行馬でゴチャつく可能性を考えたら、NHKマイルやアーリントンC(3着)といった重賞で見せたように、外めの枠からの好位差しが理想です。

 ゆえに今回の買い目は8‐10‐15とします。想定オッズは105倍程度。
 1日に1度出現するかしないかといった26~35番人気のオッズゾーンに収まりそうで、有り得ない馬券ではありません。


 ただ……以下はエイプリルフールの嘘と捉えてもらってもいいのですが、クラレントのまさかの激走が、やたらと気になって仕方がありません。
 最も不利な大外18番、8歳、4ヶ月半の休み明け、トップハンデ57.5kg、おまけに近3走は2桁着順……と買えない要素が揃っているにもかかわらず、やはり重賞6勝の実績は何か匂います。
 前走もG1・マイルCSの大舞台で7枠14番から1:33.8(斤量57kg)。
 4走前のG1・安田記念も1枠1番から差して1:33.5(58kg)。
 5走前のG2・マイラーズCでは3枠4番から先行して3着、1:32.7(56kg)。
 6走前がダービー卿CTで、2枠4番から差しが決まらずも1:34.0(58kg)。
 じつは1,600mの走破時計は大崩れしていないので、引退もそう遠くない今年の初戦、最後の徒花を咲かせても驚きはしません。

 ということで、グランシルクの差しが届かないことを祈って、エイプリルフールの大嘘馬券として、

 10‐15‐16 想定配当221,700円

 で遊んでみるのも一興かもしれません。