皐月賞 三連複一本勝負
※本記事はレース当日未明時点での予約配信です。
人気・オッズの状況は、最終的には変動している可能性があります。
2017年4月16日(日)中山11R
サラ系3歳オープン 牡・牝 定量
芝右2,000m 18頭 15:40発走
【予想】
◎ 7 ペルシアンナイト
○ 5 レイデオロ
▲ 11 アルアイン
△ 3 コマノインパルス
【買い目】
三連複 5-7‐11 100円
前項で分析したように、先行馬有利な中山芝コース。
前日4R、芝2,000mの3歳未勝利戦で2:00.4の速い時計が出ていますから、
「今年の牡馬は弱い」
と言われる皐月賞でも、1:58.0~59.0くらいの決着になって不思議はありません。
……で、前日発売のオッズを見て、
「しめた」
と私は思うわけです。
「67年ぶりの歴史的快挙」
というマスコミの喧伝を受けて、牝馬ファンディーナが1番人気となりました。
たしかに過去3走は1,800mながら、最後の直線では余力残しで底を見せておらず、2,000mの適性を感じさせます。
見た目も派手な勝ち方で、ロマンがあります。
しかしながら、厳然と存在するのは、60年以上、牝馬から勝ち馬が出ていないという事実。
過去10年でも1頭が出走して複勝圏内には入れていません。
牡牝が混合したレースならいざ知らず、紅一点となる今回、動物としての牝馬には、目に見えない牡馬からの威圧感があるのかもしれません。
加えて、角居調教師の著書『競馬感性の法則』(小学館新書)によれば、
「牝馬3歳の春はとてもデリケートです。フケ(発情)の出る時で、体調管理が難しい」(第1章 第2節より引用)
とのこと。
皐月賞を牝馬が勝つには、多くの困難がありそうです。
前日発売のオッズを見て、
「しめた」
と思った馬がもう1頭います。
締め切り直前のオッズがどれだけ動いているかわかりませんが、当日未明現在では単勝4番人気の○レイデオロです。
無傷の3連勝、近2走は中山2,000mを使って2:01.0→2:01.3、いずれも上がり最速と、ケチのつけられない競馬をしています。
にもかかわらず一本かぶりしないということは、先週ソウルスターリングが3着に敗れたことで、管理する藤沢厩舎にケチがつき、ステップレースを使わない3ヶ月半の休み明けが不当に嫌われたのでしょうか。
ソウルスターリングは阪神への遠征で、単に強い関西馬に負けただけのこと。
いわばホームで関西馬を迎え撃つレイデオロとは、立場が違います。
レイデオロは、本質的には差し馬だと思われますが、新馬戦では1枠1番から先行して強い勝ち方も見せており、今回、3枠なら悪くありません。
さて、買い目の1頭が決まったところで、1:58.0~59.0くらいの決着を想定して他の馬を探していきます。
もちろん、例によって内枠の先行馬が優先です。
……が、2,000mの実績が良く見える馬がいない。
同舞台で行なわれた京成杯、弥生賞の勝ち時計が、いずれも心許なく映ります。
今年の牡馬は弱いと言われるゆえんでしょう。
(ただ、△コマノインパルスは葉牡丹賞でレイデオロに0.2秒差ですから、極端に人気が落ちた今回、馬券に絡めれば妙味はあると思います)
そうなると距離延長組のスピード能力を推し量ることになる。
そうして辿りついたのが、◎ペルシアンナイトでした。
前走、阪神マイルのG3で3馬身差の完勝を収めており、2ハロン延長も対応できそうな脚色に見えました。
初の2,000mですが、新馬戦がコーナー4つの小倉1,800m。
コースロスのある8枠10番から先行して3馬身差の勝ちを収めており、早熟な器用さを窺わせます。
小倉→東京→中京→京都→阪神と転戦、重馬場も経験しながら(3-1-1-0)と安定した成績を収めていますから、中山2,000mもこなしてくれるはずです。
鞍上のデムーロ騎手も、G1の舞台なら絶好調、大いに期待が持てます。
そもそもの話、
「馬なんか見ずにルメール‐デムーロ馬券を買っておけば勝てたのに!」
と天を仰いだことが、これまで何度あったことか。
ルメール騎乗のレイデオロと合わせて、5‐7のワイドが10倍以上ついているのは、案外盲点かもしれません。
対抗は▲アルアイン。
デビューから3戦の脚質は差しでしたが、前走で松山騎手に乗り替わって、阪神1,800mのG3・毎日杯を先行して1着でした。
断然の1番人気1.2倍を背負っていたサトノアーサーを半馬身下した勝利には価値があります。
松山騎手は先行意欲が旺盛なので、コンビ継続で自在性を手に入れた今回、距離延長でも上手く立ち回ってくれるのではないでしょうか。
春雷S 三連複一本勝負
※本記事はレース当日未明時点での予約配信です。
人気・オッズの状況は、最終的には変動している可能性があります。
2017年4月16日(日)中山11R
サラ系4歳上オープン ハンデ
芝右1,200m 15頭 15:00発走
【予想】
◎ 3 オメガヴェンデッタ
○ 1 コスモドーム
☆ 13 トウカイセンス
【買い目】
三連複 1-3-13 100円
皐月賞のひとつ前のレース、私の好きなスプリント戦を予想してみました。
まず、皐月賞にもつながることですので、中山競馬場芝コースの傾向を検証します。
3回中山開催の最終週、内側の馬場は荒れているはずなので、外差しが決まる余地もありそうです。
そこで、前日15日(土)の1~3着馬のペースと脚質を並べてみました。
ペース 1着 2着 3着
1R H 先行 先行 差し
2R M 先行 先行 差し
3R M 先行 先行 逃げ
4R S 先行 先行 逃げ
5R M 先行 先行 先行 (2着同着)
6R M 先行 差し 逃げ
7R M 差し 追込 先行
8R S 先行 先行 先行
9R S 先行 先行 逃げ
10R M 先行 先行 先行
11R ‐ 先行 先行 先行 (障害競走)
12R M 逃げ 追込 差し
見事に先行有利ですね。わりと速い時計も出ていたようです。
春雷Sと同舞台、5Rの3歳500万条件で1:08.6(良)。
後ほど取り上げるオープン・カーバンクルSの勝ち時計が1:08.5(良)でしたから、遜色ありません。
1,200mのコース形態からいっても、やはり先行馬有利といえそうです。
……で、だからこそ内枠の偶数4番のサザナミ、大外15番ながら先行意欲の旺盛なアルティマブラッドが人気を集めているのでしょう。
しかし、ここで人気馬を疑ってしまうのが私の性。
サザナミ、アルティマブラッドはともに昇級初戦の牝馬であり、オープンの牡馬相手の力負けが心配です。
さらに、サザナミの鞍上はデムーロ騎手。大舞台に異様に強いデムーロ騎手が、次走にG1・皐月賞を控えているだけに、どこまで集中して乗り込んでくれるかは未知数なところがあります。
また、アルティマブラッドの鞍上は若手の松若騎手。
4年目で減量は取れていますが、今回は斤量52kgの利を活かし、大外枠のコースロスもあるだけに、多少のリスクは払ってでも追って追って前に行かせる可能性があります。
他に、逃げられる馬がラズールリッキー、フィドゥーシア、アクティブミノルと不人気サイドに3頭いるため、ある程度かかる馬が出てきてペースが流れる展開も考えられます。
そこで、このレースはあえて「逆張り」して、差し馬に賭けてみることにしました。
物差しにするのは、同じ中山芝1,200mで行なわれたオープン・カーバンクルSです。
前半3ハロン33.2で流れるハイペースで、勝ち時計が1:08.5(良)でした。
勝ったナックビーナスは、のちにG2・オーシャンSで2着と好走しています。
◎オメガヴェンデッタは、カーバンクルSで着順こそ7着と負けていますが、勝ち馬とは0.3秒差。
スプリントとはいえ、大きくは離されていません。
また、近3走はダートを使われており、6着→6着→9着(1.5秒差!)。
過去に阪急杯2着、休み明けのカーバンクルSで3番人気を集めていたほどの実績馬だけに、人気を落としている今回が狙い目と踏みました。
近3走では先行策も試しており、内枠3番から好位差しを狙う可能性もあります。
○コスモドームはカーバンクルSで2着、勝ち馬と0.1秒差を素直に評価します。
大内枠の差し馬は包まれて終わる恐れがあるために非常にリスキーなのですが、そこはギャンブル。
54kgの斤量も手ごろで、決め手のある馬ですから、辛抱強く粘って開いた内を差す競馬を期待します。
☆トウカイセンスもギャンブル性抜群。
牝馬ですが、牡馬相手のカーバンクルSでオメガヴェンデッタに続く0.3秒差8着でした。
ただ、むしろ私が評価したいのは、その前の中山芝1,200m、南総Sです。
外差しが決まらないといわれる中山芝コースで8枠15番を引いてしまいましたが、ミドルペースを差して9番人気を覆す1着。
馬連25万馬券の超高配当を演出しました。
勝ち時計は1:08.9。
次走カーバンクルSではきっちりコンマ1秒タイムを縮めており、前走がフロックではないことを証明しました。
前走・京都牝馬Sで11着と大敗して人気を落としていますが、1ハロン延長して稍重の阪神でしたから、度外視してもいい。
得意の中山1,200mで、斤量もカーバンクルSから2kg減って52kg。
再びハンデ戦の波乱の一角となっても驚けません。
調教の勉強、始めました。
◎ 6 ミッキークイーン → 1着
○ 4 クロコスミア → 4着
▲ 2 クリノラホール → 11着
【桜花賞 予想】
◎ 14 ソウルスターリング → 3着
○ 6 リスグラシュー → 2着
☆ 9 ゴールドケープ → 13着
【当連載の収支】
+7,910円
本命・対抗の2頭はそれぞれ掲示板に絡んでくれたので、あとは穴馬の激走を待つだけの形。ギャンブルとしては理想の展開で、まずまず見ていて楽しめました。
さて、今週は公私ともに忙しく、土曜の配信ができませんでした。申し訳ありません。
その代わりというわけではないですが、今日は皐月賞が行なわれる中山競馬場の10レース、11レースを予想していきます。
ところで、過去5走の着差・タイム・脚質・ペースを重視している私が、先週から重い腰を上げて、ようやく調教の勉強をしています。
教科書は、調教を重視している予想家・井内利彰氏の著書『増補改訂版 競馬に強くなる調教欄の取り扱い説明書』(ガイドワークス)です。
で、先週の桜花賞をサンプルに色々と数字をこねくり回してみた結果、あくまで私の独断と偏見に過ぎませんが、結論から言いますと、
「やっぱり調教時計はアテになりそうにない」
というのが正直な感想でした。
そもそも、調教の定義は、
「1ハロン15秒以下の速いペースで負荷をかけること」。
たとえば栗東CWで3ハロン39秒で入ってきたとしても、結局のところ本番のレースでは芝(良)の場合、上がり33~34秒の決着になるわけですから、かかる負荷の度合いが違います。
馬によって追い切りのコース・馬場状態・時間帯・馬場の何分どころを走ったかも違いますから、素人には比較のしようがありません。
また、調教時計の分析はどうしても「折り合いがついているか」「終い最速になっているか」に終始しがちです。
実際、井内氏が前掲書で唱える「ダブル最速」の理論も、調教の「終い最速」と過去走の「上がり最速」が判断基準となるため、必然的に差し馬が良く見えてきてしまいます。
基本的に先行有利な現代競馬において、たとえば「ラスト1F11秒台」の価値がどれだけあるかと考えると、疑問符がついてしまいます。
角居勝彦調教師が上梓したばかりの新刊『競馬感性の法則』(小学館新書)にも、こんな一節があります。
「昔の調教欄は分かりやすかった。各厩舎とも、同じような強い追い切りをこなしていて、調教欄を比べれば、馬の能力差がだいたい分かったものです。(中略)
でも、今は分かりにくくなっている。
厩舎ごとに調教パターンが違うからです。目ぼしをつけた馬が2頭いるとして、馬場条件が同じでも、タイムの良いほうが強い、とはなかなか言い切れない。
調教には明確な目的があり、当然それは厩舎によって、競走馬によって異なります。
タイムを出したい調教もあれば、そうでない場合もある」
(『競馬感性の法則』第4章 第3節より引用)
現役の調教師が言うのですから、真実の一端を突いているのではないでしょうか。
ただ、私が先ほど「アテにならない」と書いたのは、あくまで「調教時計」の話。
素人なりに調教の「明確な目的」を推理するために、ウッドチップ・ポリトラック・坂路といったコース形態や、単走・併走・3頭併せといった他馬の頭数、また先行・併走・追走といった他馬との位置関係は材料になりえると思われます。
また「まっすぐ走れているか」も見た目でわかりやすいポイントのひとつでしょうか。
たとえば皐月賞1枠1番のマイスタイルの最終追い切りはしっかり先行して「抜かせない」ことが目的と思われます。
2番スワーヴリチャードは、直線で少しヨレたように見えるのが気がかり。
そして3番コマノインパルスは……3頭併せで古馬を相手に遅れたことが、人気を落としている要因のひとつと思われます。
しかしながら、前掲の『競馬感性の法則』には、
「3頭併せの調教はゴール板を越えてからが大事」
という言葉もあります。
もうひと追いで狙いどおりの分量の負荷をかけた可能性もあり、軽視は禁物です。
結局、プロのやっていることなんて、我々素人にはわかりっこないと言ってしまえば、それまでなのですが。
桜花賞 三連複一本勝負
2017年4月9日(日)阪神11R
サラ系3歳オープン 牝 定量
芝右1,600m 17頭 15:40発走
【予想】
◎ 14 ソウルスターリング
○ 6 リスグラシュー
☆ 9 ゴールドケープ
【買い目】
三連複 6-9‐14 100円
個人的な事情により9日(日)の当日配信ができないため、前日時点での予想をお伝えしたいと思います。
◎ソウルスターリングについては、何も言うことはないでしょう。
3歳牝馬G1で何が起こるか未知数とはいえ、さすがにこの馬を外すわけにはいきません。
基本的に先行有利な競馬という競技にあって、常に4コーナーを5番手以内で回して他馬を寄せつけずに完勝する姿は圧巻そのもの。
よく、一昨年のルージュバック、昨年のメジャーエンブレムと、断然の1番人気を背負って大敗した関東馬が引き合いに出され、ソウルスターリングも磐石ではないとする意見もありますが、過去2年はいずれも控えての負け。
道悪で差しが届かない展開になればなおさら、複勝圏内には入ってくるものと信頼できます。
雨で内の馬場が荒れるとすれば、7枠14番から被せていけるところも魅力です。
相手は○リスグラシュー。
じつは、それほどソウルスターリングとは差がないのがこの馬だと私は思っています。
2走前の阪神JFではソウルスターリングに0.2秒及ばず2着でしたが、1枠2番で先行したソウルスターリングに対して、リスグラシューは大外8枠18番のコースロスがありながら差しての1馬身差。
上がり3ハロン34.5秒は、ソウルスターリングより0.3秒早く、もちろんメンバー最速でした。
そして前走チューリップ賞は0.4秒離されて3着と負けたことで、今回人気が下がっていることも狙いたい一因です。
ソウルスターリングと2馬身離れたとはいえ、それも同じ王道ローテを組んでいて、3ヶ月の休み明け、叩き初戦でのこと。
走破時計は1:33.6と、2走前よりきっちり0.6秒縮めています。
ひと叩きした上積み次第では、ソウルスターリングを負かす展開もあるのではないかと期待できます。
内枠の偶数3枠6番も好材料。
じつは、この馬で私が評価したいのは前走でも2走前でもなく、4走前の阪神1,800mで行なわれた未勝利戦です。
3枠5番からミドルペースを3番手先行して直線抜け出すと、ほとんど持ったまま上がり最速34.4秒で駆け抜けてガンサリュート(のち京成杯タイム差なし2着)に0.7秒、じつに4馬身差をつけるぶっちぎりの快勝でした。
馬というのは本来、集団で走る生き物なのだそうで、後ろから追い抜いて前に出るというのは、本能にはない行動らしいです。
そのため、抜け出すと「遊ぶ」と言われています。
あのサトノダイヤモンドでさえ、有馬記念の一連の報道で「抜け出すと遊ぶクセがある」と指摘されていました。
その点、リスグラシューはデビュー間もない9月の2歳時で、既に抜け出しても真面目に走れるようなメンタルを身につけていたように思えます。
基本的に脚質は差しですが、3枠6番を引いた今回、ソウルスターリングをマークして好位先行しても面白いかもしれません。
そしてもう1頭は、阪神JF、フィリーズレビューと続けて☆を打ち続けてきた期待の穴馬☆ゴールドケープ。
前走のフィリーズレビュー、見事3着と大健闘して優先出走権を掴み取ってくれたときから、この馬を買おうと決めていました。
1着カラクレナイに0.3秒差、2着レーヌミノルにも0.1秒差負けてしまったものの、本来なら先行意識の強いはずのこの馬が、7枠13番からハイペースとなるや器用に控え、上がり最速の34.4秒(カラクレナイと同タイム)で追い込む展開となりました。
折り合いをつけることを覚えて走りの幅を広げ、しっかりと決め手があるところも見せてくれたという意味では、3ヶ月の休み明け初戦、とても意義ある3着だったと思われます。
2勝はともに先行して挙げていますが、前走により追い込んで(0-0-1-1)、差しても(0-0-1-1)となりました。
もちろん桜花賞では先行してほしいところですが、自在性を獲得できたのは強みです。
人気薄のショーウェイや大外カワキタエンカなどに逃げる可能性があるので、折り合いをつけて好位差しの末脚を見せてくれれば、3着までなら大いに有り得ると期待しています。
3走前の500万条件(京都芝マイル)では、重馬場でハイペースながら先行してディアドラ(のちアネモネS2着。桜花賞では8枠17番)に2馬身差、上がりも最速の快勝を収めており、道悪の心配もありません。
阪神牝馬S 三連複一本勝負
2017年4月8日(土)阪神11R
サラ系4歳上オープン 牝 別定
芝右1,600m 16頭 15:35発走
【予想】
◎ 6 ミッキークイーン
○ 4 クロコスミア
▲ 2 クリノラホール
【買い目】
三連複 2-4-6 100円
まずは1~3番人気から、昨年のこのレース2着馬◎ミッキークイーンを外すわけにはいきません。
しかも昨年は、スマートレイアー(のち京都記念2着)にタイム差なしの2着。
走破時計1:33.1は申し分なく、上がり33.3秒もメンバー最速でした。
おまけにスローペースを追い込んでのクビ差には価値があります。
今年、昨年より斤量1kg減で臨めるのも有難い点です。
エリザベス女王杯でクイーンズリングに負けたとはいえ、同斤量で0.2秒差。
1kgの斤量有利があれば、巻き返しは充分に可能です。
そのクイーンズリングと人気を分けあってくれているおかげで、極端な人気にならず、配当的な妙味を見込めるのも好都合。
唯一の懸念は、度重なる斜行から本当は買いたくない浜中騎手なのですが、レーヌミノルから降ろされ、おまけに桜花賞で騎乗予定だったサロニカが出走回避したことにより、ここに集中せざるを得なくなりました。
土曜日は9鞍を予定しており、勝負勘を蓄えて臨めれば、逆らうことはできないように思います。
さて、軸が決まったところで相手探しなのですが、これがかなり悩みました。
角居厩舎の2頭出しも不気味なら、大外にはたしかな末脚を持った追込馬もいる。
悩みに悩んだ末に、結局は有利な内枠偶数番の先行馬を選ぶという、しごく初歩的かつ機械的な考え方に行き着きました。
人気上位馬は、8番ジュールポレールを除き、軒並み差し・追込の脚質です。
そこで、先行馬が少なく、マークが薄くなる今回、スローペースで前残りできそうな馬を2頭選びました。
雨の影響で道悪が予想されますので、差しが届かなくなる可能性も考えられます。
ただ、先行馬のジュールポレールは人気の一角ではあるのですが、昇級初戦を嫌いました。
前走が同距離同舞台となる阪神芝マイルで、上がり32.8秒の鬼脚を使って1馬身半ちぎった勝ち方が評価されているのだと思います。
2走前には、今回16番の有力馬アドマイヤリードにも先着していますから、人気になるのは頷けます。
ただ、前走の勝ち時計1:33.8は、スローペースから最後馬なりで流したとはいえ、やや物足りなくも映ります。
初の重賞挑戦で、ペースについていけるかが心配です。
その点、○クロコスミアは5走前、昨年のチューリップ賞で、既に阪神芝マイルで1:33.2(33.1)という好時計をマークしています。
勝ったシンハライト(のち優駿牝馬1着など、現在登録抹消)とは0.4秒差。
さらに3走前ローズSでは、シンハライトとの差をさらに縮めて阪神芝1,800mでタイム差0.0秒の2着と大健闘しています。
おまけにこの時の芝は重馬場でしたので、道悪が予想される今回も適性は充分。
もとは差し馬でしたが、ここ3走ハナに行っているので、前めでの積極的な競馬を期待します。
同じくシンハライトを物差しとして、穴馬は▲クリノラホール。
昨年のチューリップ賞は15着と惨敗でしたが、7枠14番からスローペースで追い込んでの1.1秒差で、1:33.9(33.8)でしたからジュールポレールの前走と遜色ありません。
チューリップ賞で大敗後しばらく勝ちきれない競馬が続きましたが、次第に実を結び始め、3ヶ月休み明けの7走前から2着→3着→2着→1着→1着→1着と才能が開花し、一気にオープン入り。
3連勝した2~4走前には、しっかり33.5→33.6→33.7の上がりも使っています。
昇級初戦となった前走・愛知杯こそ7着に敗れたものの、7枠12番からスローペースを差して勝ち馬と0.4秒差なら、悲観するほどでもありません。
中11週と、使いづめの疲れもあまりないはず。
重賞のペースを一度経験してから臨む今回は、昨年のチューリップ賞より上積みが見込めそうです。
穴党こそ1点買い
先週の大阪杯の結果は以下のとおり。
【予想】
◎ 7 サトノクラウン → 6着
○ 14 マカヒキ → 4着
▲ 13 ヤマカツエース → 3着
☆ 3 スズカデヴィアス → 11着
☆ 9 ディサイファ → 10着
【当連載の収支】
+8,110円
ステファノスの堅実な先行を見抜けなかったのは痛恨の極みですが、どの馬も頑張ってくれました。
☆を回した2頭は着順だけ見れば残念だったものの、人気よりは上に来ていたので、まあ良しとします。
ところで、G1ということで全頭解説をした挙げ句、5頭も印をつけた大阪杯でしたが、私が実際に購入したのは例によって三連複1点100円のみでした。
G1ともなると実力馬ばかりが顔を揃え、どれもこれも良く見えてしまいがちなので、いきおい買い目が増えてしまうという方も、読者の中には多くいらっしゃるかもしれません。
実際、G1に昇格した今年はJRAの売り上げも大幅に上がったとの由。
この勝負、まんまとJRAの「勝ち」というわけです。
だからこそ、私はいま一度、あえて主張したいと思います。
「勝つための最善の策とは、1点買いである」
と。
とりわけ、常に万馬券を狙う穴党の人こそ多点買いをすべきではないというのが、私の持論です。
人気薄を馬券に絡めると、当然、的中率は(統計的に見れば)下がるわけですから、1点だけでは心許ないかもしれません。
せっかく見つけた穴馬が2頭いても、両方を絡めたら的中率はさらに極端に落ちますから、いわゆる「ヒモ」として流したくなるのが人間の心情というものです。
しかし、そこで立ち止まって単純に考えてみてからでも遅くはないはずです。
ここで問題です。
1番人気‐2番人気の馬連と、1番人気‐3番人気の馬連の計2点を買う本命党の人がいたとします。
その隣に、10番人気‐11番人気の馬連と、10番人気‐12番人気の馬連の計2点を買う穴党の人がいたとします。
さて、どちらの馬券のほうが当たりやすいでしょうか?
答えは一目瞭然ですね。時に番狂わせが起こることもあるとはいえ、常識的に考えたら、本命党の人の馬券のほうがはるかに当たりやすいと思われます。
ここに、多点買いの意義があります。
つまり、多点買いとは、そのレースだけ(あるいは数レース単位の短いスパン)で「勝ちにいく」ための買い方です。
そのため、期待値が高ければ高いほど、個々の買い目の価値が上がる。
その価値の組み合わせによって、可能性の網を張り、結果を掬い上げていくわけです。
一方、本命党の多点買いは、それなりのリスクを伴います。
点数を増やせば増やすほど、そのぶん出資金が増えることになりますから、負けた時の損害額が大きくなるのです。
お金持ちであればあるほど有利な買い方ですので、あまり大きく負けられないはずの庶民が迂闊に手を出すと、大火傷を負いかねません。
また「勝ちにいく」ということは、「勝たねばならない」という義務が生ずるということ。
点数を増やして出資金が膨らむぶん、回収できなければ意味がないのです。
となると、負けた時の「焦り」が、さらなる負けを生み出しかねません。
本命党は、的中率が見込めるだけに連敗知らずでストレスフリーなように見えて、じつはある意味「業」を背負っているように私には見えます。
さて、翻って穴党の多点買いはどうか。
10番人気‐11番人気の馬連と、10番人気‐12番人気の馬連は、それぞれの期待値が人気筋に比べるとグッと下がります。
1点を2点に増やしたところで、焼け石に水、二階から目薬。
加算される的中率はたかが知れているわけです。
ましてや三連複ともなれば、1%に満たない確率を積み重ねていくシビアな世界。
あれもこれもと買い集めるだけ無駄だと、私は思っています。
買い目を1点に絞ることで、合成オッズを考える必要がなく、的中した時の破壊力を最大限に引き出すことができます。
たとえば100円1点で払い戻し1万円の馬券を的中させれば、倍率は100倍。
しかし三連複5頭ボックスで100円×10点を買っていた場合は、同じ買い目でも倍率はわずか10倍になってしまいます。
これでは、単勝10倍の馬1点に賭けているのと同じこと。
単勝万馬券のような破壊力やロマンはありません。
また、1点買いであれば数ヶ月、あるいは1年といった長いスパンで収支を考えればいいので、「外れる」ことに不思議と耐性がつきます。
「当てなければならない」という「業」から逃れられる穴党1点買いは、案外ストレスフリーな買い方なのです。
大阪杯 三連複一本勝負
2017年4月2日(日)阪神11R
サラ系4歳上オープン 定量
芝右2,000m 14頭 15:40発走
【予想】
◎ 7 サトノクラウン
○ 14 マカヒキ
▲ 13 ヤマカツエース
☆ 3 スズカデヴィアス
☆ 9 ディサイファ
【買い目】
三連複 3-7-14 100円
例によって今回も「1番人気=キタサンブラックの倒し方」を探っていきます。
逃げ馬だけでもマルターズアポジー、ロードヴァンドール、そしてキタサンブラックの3頭が揃った今回。
牽制し合ってある程度ペースが流れる展開を想定し、キタサンブラックをマークして好位追走から差せる馬を探していきます。
◎サトノクラウンは、2着馬に対して4kgの斤量不利がありながらも完璧な競馬をしたことを評価します。
しかも今回、斤量1kg減。
ミッキーロケットに対しては前走の時点で1kgの斤量不利がありながら0.3秒差突き放しており、同斤量となる今回、相手に1枠1番の利があったとしても、都合0.5秒(2馬身半)の差は詰めづらいのではないかと思います。
おまけに前走が海外帰りの今年初戦、叩きであったことを考えれば、上々すぎる出来です。
大舞台にめっぽう強い鞍上デムーロ騎手にも、ここは逆らえません。
ダービー馬○マカヒキは、キタサンブラックと初対決。
前走、サトノクラウンより1kgの斤量有利がありながら差し届かず0.2秒差で、同斤量となる今回は都合2馬身を詰めねばならず、大外枠の不利もあって印を下げました。
とはいえこちらも海外帰りを叩いて2戦目となりますので、4歳馬の上積みに期待したいと思います。
前走、大逃げの2頭を除けば61秒ほどのスローな展開で、キタサンブラックの作るペースに左右されない強さも魅力です。
思えばダービーもスローペースでした。
有馬記念でキタサンブラックを負かしたサトノダイヤモンドを負かした末脚が決まれば、キタサンブラックに先着する青写真も描けます。
鞍上ルメール騎手も「ポジションは真ん中くらいで、キタサンブラックをマークします」と明言していますから、有馬記念でキタサンブラックを下したその手腕に託すだけです。
穴馬は金鯱賞の1・3着馬で悩んだのですが、大穴☆スズカデヴィアスに賭けたいと思います。
▲ヤマカツエースとともにスローの展開を差して馬券に絡んだ実力は本物です。
今回、斤量56kgから1kg増となり、ヤマカツエースとの差が都合0.4秒(2馬身)開いてしまうことになりますが、奇しくも相手は大外13番に入りました。
対して、スズカデヴィアスが引いたのは3枠3番の好枠。
藤岡騎手が「完全にキャラが変わっていました」と話すほど成長著しいスズカデヴィアスにとって、かなり好材料といえそうのがこの内枠です。
というのも、前走以上に評価したいのが、2走前のオープン白富士Sでした。
重賞ではないとはいえ、スローペースにもかかわらず1枠1番の利を活かし、冷静に内を突いて差し切っての1着でしたから、金鯱賞3着もフロックではありません。
タイム差なしとはいえ、サクラアンプルールにも先着しています。
また、阪神(0-0-0-4)と結果が出ていないヤマカツエースに対し、スズカデヴィアスは4戦して1勝を挙げており、右回りに関しても3勝と、コース相性の不安も減ります。
3歳オープンすみれS(阪神芝2200)で、やはり内の2枠2番からスローペースで追い込んで勝っているように、この馬の決め手は確か。
実際、芝を使った近4走では、上がり3ハロン3位圏内を外したことがありません。2度の金鯱賞でもヤマカツエースを上回っています。
その他、もう1頭気になって仕方がないのが☆ディサイファ。
前走はトップハンデ58.5kgを背負って大外から差すコースロスもあり、今回1.5kg斤量減なら悲観するほどの着差ではありません。
8歳で上積みは見込みづらいものの、マイル路線からの長距離再転換で、一昨年の金鯱賞(2000)2着、昨年のAJCC(2200)1着の地力を示せれば、複勝圏内もありそうな予感がします。
2走前のマイルCSでは、ミッキーアイル(浜中)の斜行によりゴール前で立ち上がる致命的な不利(審議対象になるも覆らず)を受けて10着。度外視していいと思われます。
小島太調教師が、
「今回は本当にいいぞ」
と息巻く今回、まさかの一発があるか。
怖い存在だと思います。