天皇賞(春) 三連複一本勝負
2017年4月30日(日)京都11R
サラ系4歳上オープン 定量
芝右3,200m 17頭 15:40発走
【予想】
◎ 3 キタサンブラック
○ 12 ゴールドアクター
▲ 13 トーセンバジル
☆ 7 アルバート
【買い目】
三連複 3-7-12 100円
※当記事は、27日(木)夜時点での予約配信です。
今週末はオッズ・馬体重を参照しての配信ができません、ご了承ください。
買い目の変更がありましたらツイッターでつぶやきます。
絶好の内枠3番を引いた◎キタサンブラックを、ここは外すわけにはいきそうにありません。
サトノダイヤモンドと1番人気を争うことになると思われますが、私は軍配をキタサンブラックに挙げます。
巷間いわれているように、有馬記念では2kgの斤量差があったことも理由のひとつではありますが、他にもサトノダイヤモンドにはいくつか不安な点があるように見えます。
まず単純に、4歳という幼さ。
サトノダイヤモンドの前走、阪神大賞典は確かに強い競馬をしましたが、1周目の3コーナー入り口から4コーナーにかけて、ルメール騎手がだいぶ折り合いに苦労しているようにも見えました。
実際、レースは最初にレーヴミストラルが仕掛け、次いで1周目のホームストレッチでウインスペクトルが逃げ出してしまうミドルペース。
それでも豪腕でダイヤモンドを御してしまうところが外国人騎手らしいですが、坂を二度下る京都競馬場の2ハロン延長となれば、話は別です。
春の4歳馬には、相当きつい舞台になると思われます。
加えて、当然キタサンブラックのマークがきつくなり、ヤマカツライデンの逃げ、さらには後述するようにゴールドアクターの早めの仕掛けも考えられますので、自然、先行馬に楽なペースにはなりそうにない。
となると、好位差しが理想のサトノダイヤモンドにとっても、先輩たちの迫力に呑まれてしまう可能性は捨てきれません。
とかく内枠先行が有利な現代競馬にあって、2強対決では、
「両雄並び立たず」
といった結果になることが意外と多いものです。
単純に、昨年4歳時に規格外の強さで天皇賞(春)を勝っているキタサンブラックが、今年、さらに5歳になって力をつけて出てくるわけですから、当年とって4歳のサトノダイヤモンドに負けるわけにはいきません。
サトノダイヤモンドはメディアが作り出す過剰人気も差し引いて、ここは思いきって買い目から外したいと思います。
同様の理由で、今回、4歳馬はすべて外してみました。
○ゴールドアクターは、前走叩いた上積みを期待して、人気が落ちるであろう今でこそ買いの1頭。
昨春の天皇賞では12着と惨敗していますが、1番人気に推されて4コーナーでは2位で回ってきたほどの実力馬です。
有馬記念だって0.1秒差の3着、4着馬には0.2秒突き放しています。
前走の直線、脚が止まったようにも見えたことから、実力に比して不当に人気は上がらないと踏みました。
あとは長距離実績の少なさも、この馬が買い控えられてしまう要因のひとつ。
3,000m以上のレースでは、まだ幼い3歳時の菊花賞3着しか実績がありません。
(ちなみに同9着がワンアンドオンリーでした)
ただ、私が注目したのは、2,600mですが3歳500万条件の一戦。
少頭数で相手が弱かったというのもあるのですが、3ヶ月の休み明けから余裕で逃げて1着、その後1000万条件と連勝しての菊花賞参戦につなげました。
逃げたのはこのレース1回きりですが、私の目には、前に壁を置かなくてもあっさり勝ちきれるくらいの冷静さが早くから備わっているように映りました。
ここで不気味な存在なのが、テン乗りとなる横山騎手。
「ノリポツン」
の秘策で知られ、時にファンを落胆させることもありますが、上手いときは本当に上手い騎手です。
希望していた内枠が取れなかった今回、じつは私、まるで昨年のブラジルカップでミツバがやってみせたように、ゴールドアクターが大逃げを打つ展開もひそかに期待していたりします。
ヤマカツライデンも大外、騎手たちの注目がキタサン‐サトノの攻防に集まっているとすれば、案外、ノーマークから飛び出して楽逃げという目もあるのではないでしょうか。
逆に無理をさせず、
「ポツン」
と後方待機をやらかして、やっぱり慨嘆することになるかもしれませんが。
▲トーセンバジルは、前がやりあった展開のときに、実は伸びてくるだろうと考えている1頭です。
前走は0.6秒と着差こそ離されたものの、サトノダイヤモンド、シュヴァルグランに続く3着。
しかもかなり大外を追い込むコースロスがあり、上がり3ハロンは35.8秒でメンバー2位、目の覚めるような切れ味鋭い末脚でした。
まともに内を突いて2ハロン延長すれば、逆転もできそうです。
それでなくとも包まれづらい外の7枠13番は追い込み馬にとっては好位置。
淀の3,200mでは厳しいかもしれませんが、開き直って大外一気でも面白そうです。
ただ、強い馬が積極的に火花を飛ばし合う展開になったとき、けっきょく最後に物を言うのはスタミナだったりします。
そうなると、抜群のステイヤー適性を見せる☆アルバートが気になって仕方ありません。
ステイヤーズSでは57kgと断然の1番人気を背負い、ファタモルガーナ(鞍上56kg)にクビ差1着。
5着タマモベストプレイ(同56kg)にも1.4秒と大差をつけています。
そして圧巻は前走、ダイヤモンドS。
最初の1,000m64秒のスローペースでありながら、4コーナーで後方3頭目くらいから大外を追い込んで1着、脅威の上がり最速33.4秒でした。
しかもよく見ると、見せムチと手綱を引いて追うだけで、ステッキが一度も打たれていないのだから恐れ入ります。
58kgを背負ってこの強さ。51kgだった2着ラブラドライトにさえ1馬身差以上つけています。
以下、7着9歳のファタモル爺さん(さすがにキツそう)、11着プロレタリアトもまとめて置き去りに。
昨年のこのレースでキタサンブラックに0.5秒差6着なら、まだまだ侮れません。
フローラS 三連複一本勝負
2017年4月23日(日)東京11R
サラ系3歳オープン 牝
芝左2,000m 18頭 15:45発走
【予想】
◎ 14 フローレスマジック
○ 12 ディーパワンサ
▲ 13 アロンザモナ
☆ 17 ラユロット
【買い目】
三連複 12-14-17 100円
レース前夜、東京都内の神宮球場では、ヤクルトが7回降雨コールド勝ちを収めました。
ラジオ観戦していたヤクルトファンの私は思わぬ形の完封勝利に歓喜したわけですが、数秒後、ハタと気づきました。
……東京競馬場も、日曜の馬場が荒れるのでは?
実際、気象庁のホームページによれば21時台に6mm/hの降水を記録しています。
ということで、それまで積み上げていた予想をいったん崩して、大いに冒険した買い目にしてみました。
春の東京開催開幕週ということで先行馬有利かと思いきや、良馬場で行なわれた22日(土)の芝5レースではいずれも差し・追込馬が勝利する傾向にありました。
昨年の同開催日を見てみても、やはりその傾向はあるようです。
まとまった雨で馬場が渋った日曜、時計がかかるようなら、ますます差し馬に有利ともいえそうです。
それでなくても府中の長い直線と坂は、先行馬には苦しいハードルですし。
◎フローレスマジックは、2走前に東京マイルでスローペースながら、4角10番手から差してリスグラシューに0.1秒差2着(上がり最速33.3秒)を素直に評価しました。
未勝利戦を東京の重馬場で勝っているところもポイントです。
前走も0.4秒差の3着と大きく負けてはおらず、タイムもきっちり2秒縮めてきていますから、上積みを見込んで今回、距離延長でもパワーで対応してくれるのではないかと踏んでいます。
○ディーパワンサの持ち味は好位差し。
展開の影響が少なく、5戦して上がり最速が3回、3位が1回と、しっかり決め手を活かせているところを買います。
ここ2走の着順・着差こそ揮わないものの、相手も強かったですし、左回りの中京で2勝していることから、右回りは苦手だったのかもしれません。
初めての東京競馬場ではありますが、調教でも重馬場の坂路で終い重点、最後まで力強い脚を使っているように見えたので、むしろ好舞台になりえます。
穴馬は悩んだのですが、本命対抗が堅めなぶん、☆ラユロットを選びました。
▲アロンザモナは桜花賞まで使った実力馬。2走前のチューリップ賞と比べるとかなり人気を落とした今回、妙味があるかもしれません。
稍重の京都1,400でエントリーチケットにハイペースから好位差しで勝っていることから、道悪がハマれば一発も。
ただ、前走の桜花賞も稍重で14着。
桜花賞ではレーヌミノル、チューリップで賞はソウルスターリング、こうやまき賞ではペルシアンナイトと、いずれも強い相手と戦ってきてはいますが、着差・着順はともに案外。
実績では明らかに見劣るだけに、中1週ではそれほど上積みも望めません。
その点、関東の藤沢厩舎が抽選を突破して、6ヶ月ぶりにここを使ってくるラユロットがなんだか物凄く不気味です。
前走、東京マイルでの勝ち時計は映えるものではありませんが、3戦して追込→先行→逃げと多彩な脚質を披露して2着→2着→1着。
調教も藤沢厩舎流ということで馬なりの3頭併せ、道悪への対応力は割引ですが、映像ではしっかり動いているようには見えました。
おまけに、モレイラ騎手、戸崎騎手を乗せていた馬が、なぜかいきなり新人の木幡育也騎手に乗り替わり。
単に今回は勝算が薄く、若手に経験を積ませるという意味合いがあるのかもしれませんが、それにしたって減量特典のない重賞に乗せるには早すぎる印象です。
距離も2ハロン延長となる今回、もしかしたら馬にも騎手にも強い自信があって、名伯楽が刺客として送り込んできたのかもしれません。
マイラーズC 三連複一本勝負
2017年4月23日(日)京都11R
サラ系4歳上オープン 別定
芝右1,600m 11頭 15:35発走
【予想】
◎ 3 フィエロ
○ 7 プロディガルサン
▲ 5 ダッシングブレイズ
☆ 9 クルーガー
【買い目】
三連複 3-7-9 100円
別に私はJRAの回し者ではありませんが、愛用しているJRA-VAN(iPhone版)の馬柱に、今週からペース判定(S・M・H)が表示されることになりました。
これまでは各レースの着順・ラップのページに飛ばないとペースが確認できなかっただけに、この仕様変更は個人的には非常に嬉しいものです。
プレゼント応募の際などに、何度か要望を書き込んでいた甲斐がありました。
同様の要望がどれだけあったかはわかりませんが、末端のユーザーの意見をしっかり反映させている姿勢には頭が下がります。
ということで、早速この機能を活用してみたいと思います。
オッズ上位3頭の脚質判定と、近5走のペース判定は下記のとおり。
1番人気 エアスピネル 先 SMSSS
2番人気 イスラボニータ 先差 MMSSS
3番人気 ブラックスピネル 先 SMMSS
どちらかというと先行意欲が強めの3頭ですが、近5走のペースを見ていくと、ハイペースを経験している馬が1頭もいません。
最近の競馬にありがちな、見応えの劣る消極的なスローペース症候群からの直線よーいドンの展開といってしまえばそれまでですし、自分でペースを作れるのが先行馬の強みではあるのですが、ハイペースで押し切ってこそ本当に強い先行馬だと私は考えています。
特に京都金杯の1・2着、東京新聞杯の1・3着であり、たまたま名前も似ていることから「スピネル」馬券は過剰に人気しがちかと思われます。
京都金杯ではブラックスピネルより前で競馬をしたエアスピネルが、東京新聞杯では逆に押し出されるようにして逃げたブラックスピネルが、それぞれ勝っていますので、上位3頭の位置取り争いは苛烈になりそうです。
となると、先行馬同士がやり合ってある程度ペースが流れる展開も予想できます。
実際、22日(土)に行なわれた京都芝コースのレースは、5レースすべてでミドルペース。
差しも決まる馬場になっていました。
そこで、今回は決め手のある差し馬に賭けてみたいと思います。
◎フィエロは8歳であることが人気落ちの原因と思われますが、今回56kgで戦えるところが魅力です。
阪神カップでは57kgを背負って同斤量のイスラボニータにタイム差なし。
京都金杯では57.5kgを背負ってエアスピネル(56.5kg)・ブラックスピネル(55kg)双方にわずか0.1秒差。
前走・高松宮記念の記事で「フィエロの本職はマイル」と書いたように、57kgを背負ってハイペースの6ハロン戦を経験してからのここが狙い目で、流れる展開から悠々と抜け出す青写真を描けます。
○プロディガルサンは東京新聞杯でブラックスピネルにタイム差なし2着を評価しました。
スローペースにもかかわらず、6番手からの好位差しで、上がり最速の32.0秒ですから決め手に不足ありません。
とかくマイル路線に戻ってきて結果を出しているエアスピネルの陰に隠れがちですが、じつはこの馬も同じマイル転向組。
2,000m以上の長い距離でも好位先行して走りきるスタミナの持ち主ですから、ペースが流れてスタミナ勝負となれば勝機があります。
メンバー中最少、唯一の2勝馬であることも、裏を返せばエリートの証。
新馬戦→2歳オープンと連勝して重賞で善戦し(2-2-1-4)、複勝率55.6%とまずまず安定しており、複勝式馬券だからこそ狙ってみたい馬です。
穴馬はダッシングブレイズと悩みに悩んだ末に、☆クルーガーを挙げました。
ダッシングブレイズは、昨年の東京新聞杯の時点ではG1も狙えると思っていた馬なのですが、浜中騎手の無理なイン突きによる落馬競走中止が手痛い誤算でした。
前走で、復帰後ようやく1勝を挙げることができましたが、それもひとつ格の落ちるオープン競走で、時計のかかる道悪も影響してのもの。
ダービーCT、京王杯SCでは速い上がりも使って2馬身差までは詰めているものの、2走前が人気を背負って4馬身差の大敗と案外だったことから、東京新聞杯のダメージが未だ少なからずあるように思います。
その因縁の浜中騎手への乗り替わりも割引材料。
とにかく直線一気が魅力の馬なので、前走のデムーロ騎手のように真っ直ぐ御しきれないと、全力を出しきれない可能性があります。
その点、昨年のマイラーズC勝ち馬クルーガーは、まだ1年の骨折休養明けの影響がどれだけあるのか未知数ですから、人気を落とした今回、ギャンブルとして賭けてみる妙味が生まれます。
昨年、ミドルペースを4角12番手から追い込んで1:32.6(上がり最速34.0)。
京都金杯(ミドルペース)のエアスピネルより0.2秒(=1馬身)、マイルCS(ミドルペース)のイスラボニータよりも0.5秒(=2馬身半)早い勝ち時計ですから、いきなり斤量57kgでも穴を開ける素材は充分に持っています。
鞍上も先週、晴れてG1ジョッキーの仲間入りを果たした松山騎手。
マークが薄くなった今回、闊達な立ち回りを期待します。
的中アピールに惑わされない
先週の春雷S、皐月賞の結果は以下のとおり。
【春雷S 予想】
◎ 3 オメガヴェンデッタ → 5着
○ 1 コスモドーム → 4着
☆ 13 トウカイセンス → 8着
【皐月賞 予想】
◎ 7 ペルシアンナイト → 2着
○ 5 レイデオロ → 5着
▲ 11 アルアイン → 1着(9番人気)
→ 7‐11馬連なら8,710円、ワイドなら2,250円!
【当連載の収支】
+7,710円
皐月賞はレイデオロの追い込みが届かず、3万馬券まで痛恨の1馬身半差となりました。
結果論からいえば、レイデオロはここをステップに使ったということですね。
しかし、それでも2番人気スワーヴリチャード(6着)、1番人気ファンディーナ(7着)、3番人気カデナ(9着)よりもきっちり上位に来ているわけですから、人気が集まりすぎなければダービーでも狙ってみたい決め手のある馬です。
ところで、桜花賞に引き続き、皐月賞でも3頭中2頭が馬券に絡むくらいには予想の精度を高めることができました。
もちろん三連複1点で勝負しているので、いずれも負けは負けなのですが、もし馬連やワイド3頭ボックスだったら数千円の勝ちだったと思うと、人間、惜しいことをしたと悔やみたくもなるものです。
しかし、ここでメンタル的に踏ん張って自分の買い方を貫けるかどうかが、年間トータルで見たときの「馬券の勝ち組」になれるか否かの分かれ道だと私は思います。
試しに、当の著者本人は買ってもいないのに、先ほどの結果欄に馬連・ワイドの配当を大げさに書いてみました。
9番人気で1着に激走してくれたこともあり、けっこう配当がつきましたね。
これだけ見ると、自分で言うのもアレですが、買い方次第ではなんだかちょっと勝てそうな気になってきませんか?
これと同じカラクリを使っているのが競馬新聞です。
競馬新聞の予想ほど参考にしてはならないものはないと、私は思っています。
というのも、競馬新聞が至上の命題としているのは、
「読者に当てさせること」
であり、
「読者を儲けさせること」
ではないからです。
そのため、本命筋をしっかり漏らさずに◎○▲△×☆といった多めの印をつけ、どれかが引っかかれば、翌週、さも当たったかのように誇張して書く。
えてして多くの競馬ファンには、過去を回顧するよりも次のレースに目を向けがちな傾向がありますから、過去の的中が華々しく書かれていれば、さほど深く検証することなく信用してしまうかもしれません。
結果、
「回収率より的中率」
という買い方になってしまう。
私の馬券術では1年約50週×200円の出資で、1年に1度の万馬券的中があればよく、3万馬券を狙う場合には3年に1度の的中率でいいわけですから、気楽なものです。
実際、今年は昨年の阪神カップの勝ち分で遊んでいるわけですし、ツイッターの買い目で金鯱賞ワイド万馬券も当てています。
焦って買い方を変えたり、買い目を増やしたら負け。
世に華々しい的中アピールは数あれど、それらに惑わされず自分のスタイルを崩さないことが、競馬という「メンタルのゲーム」の必勝法ではないかと私は考えています。
皐月賞 三連複一本勝負
※本記事はレース当日未明時点での予約配信です。
人気・オッズの状況は、最終的には変動している可能性があります。
2017年4月16日(日)中山11R
サラ系3歳オープン 牡・牝 定量
芝右2,000m 18頭 15:40発走
【予想】
◎ 7 ペルシアンナイト
○ 5 レイデオロ
▲ 11 アルアイン
△ 3 コマノインパルス
【買い目】
三連複 5-7‐11 100円
前項で分析したように、先行馬有利な中山芝コース。
前日4R、芝2,000mの3歳未勝利戦で2:00.4の速い時計が出ていますから、
「今年の牡馬は弱い」
と言われる皐月賞でも、1:58.0~59.0くらいの決着になって不思議はありません。
……で、前日発売のオッズを見て、
「しめた」
と私は思うわけです。
「67年ぶりの歴史的快挙」
というマスコミの喧伝を受けて、牝馬ファンディーナが1番人気となりました。
たしかに過去3走は1,800mながら、最後の直線では余力残しで底を見せておらず、2,000mの適性を感じさせます。
見た目も派手な勝ち方で、ロマンがあります。
しかしながら、厳然と存在するのは、60年以上、牝馬から勝ち馬が出ていないという事実。
過去10年でも1頭が出走して複勝圏内には入れていません。
牡牝が混合したレースならいざ知らず、紅一点となる今回、動物としての牝馬には、目に見えない牡馬からの威圧感があるのかもしれません。
加えて、角居調教師の著書『競馬感性の法則』(小学館新書)によれば、
「牝馬3歳の春はとてもデリケートです。フケ(発情)の出る時で、体調管理が難しい」(第1章 第2節より引用)
とのこと。
皐月賞を牝馬が勝つには、多くの困難がありそうです。
前日発売のオッズを見て、
「しめた」
と思った馬がもう1頭います。
締め切り直前のオッズがどれだけ動いているかわかりませんが、当日未明現在では単勝4番人気の○レイデオロです。
無傷の3連勝、近2走は中山2,000mを使って2:01.0→2:01.3、いずれも上がり最速と、ケチのつけられない競馬をしています。
にもかかわらず一本かぶりしないということは、先週ソウルスターリングが3着に敗れたことで、管理する藤沢厩舎にケチがつき、ステップレースを使わない3ヶ月半の休み明けが不当に嫌われたのでしょうか。
ソウルスターリングは阪神への遠征で、単に強い関西馬に負けただけのこと。
いわばホームで関西馬を迎え撃つレイデオロとは、立場が違います。
レイデオロは、本質的には差し馬だと思われますが、新馬戦では1枠1番から先行して強い勝ち方も見せており、今回、3枠なら悪くありません。
さて、買い目の1頭が決まったところで、1:58.0~59.0くらいの決着を想定して他の馬を探していきます。
もちろん、例によって内枠の先行馬が優先です。
……が、2,000mの実績が良く見える馬がいない。
同舞台で行なわれた京成杯、弥生賞の勝ち時計が、いずれも心許なく映ります。
今年の牡馬は弱いと言われるゆえんでしょう。
(ただ、△コマノインパルスは葉牡丹賞でレイデオロに0.2秒差ですから、極端に人気が落ちた今回、馬券に絡めれば妙味はあると思います)
そうなると距離延長組のスピード能力を推し量ることになる。
そうして辿りついたのが、◎ペルシアンナイトでした。
前走、阪神マイルのG3で3馬身差の完勝を収めており、2ハロン延長も対応できそうな脚色に見えました。
初の2,000mですが、新馬戦がコーナー4つの小倉1,800m。
コースロスのある8枠10番から先行して3馬身差の勝ちを収めており、早熟な器用さを窺わせます。
小倉→東京→中京→京都→阪神と転戦、重馬場も経験しながら(3-1-1-0)と安定した成績を収めていますから、中山2,000mもこなしてくれるはずです。
鞍上のデムーロ騎手も、G1の舞台なら絶好調、大いに期待が持てます。
そもそもの話、
「馬なんか見ずにルメール‐デムーロ馬券を買っておけば勝てたのに!」
と天を仰いだことが、これまで何度あったことか。
ルメール騎乗のレイデオロと合わせて、5‐7のワイドが10倍以上ついているのは、案外盲点かもしれません。
対抗は▲アルアイン。
デビューから3戦の脚質は差しでしたが、前走で松山騎手に乗り替わって、阪神1,800mのG3・毎日杯を先行して1着でした。
断然の1番人気1.2倍を背負っていたサトノアーサーを半馬身下した勝利には価値があります。
松山騎手は先行意欲が旺盛なので、コンビ継続で自在性を手に入れた今回、距離延長でも上手く立ち回ってくれるのではないでしょうか。
春雷S 三連複一本勝負
※本記事はレース当日未明時点での予約配信です。
人気・オッズの状況は、最終的には変動している可能性があります。
2017年4月16日(日)中山11R
サラ系4歳上オープン ハンデ
芝右1,200m 15頭 15:00発走
【予想】
◎ 3 オメガヴェンデッタ
○ 1 コスモドーム
☆ 13 トウカイセンス
【買い目】
三連複 1-3-13 100円
皐月賞のひとつ前のレース、私の好きなスプリント戦を予想してみました。
まず、皐月賞にもつながることですので、中山競馬場芝コースの傾向を検証します。
3回中山開催の最終週、内側の馬場は荒れているはずなので、外差しが決まる余地もありそうです。
そこで、前日15日(土)の1~3着馬のペースと脚質を並べてみました。
ペース 1着 2着 3着
1R H 先行 先行 差し
2R M 先行 先行 差し
3R M 先行 先行 逃げ
4R S 先行 先行 逃げ
5R M 先行 先行 先行 (2着同着)
6R M 先行 差し 逃げ
7R M 差し 追込 先行
8R S 先行 先行 先行
9R S 先行 先行 逃げ
10R M 先行 先行 先行
11R ‐ 先行 先行 先行 (障害競走)
12R M 逃げ 追込 差し
見事に先行有利ですね。わりと速い時計も出ていたようです。
春雷Sと同舞台、5Rの3歳500万条件で1:08.6(良)。
後ほど取り上げるオープン・カーバンクルSの勝ち時計が1:08.5(良)でしたから、遜色ありません。
1,200mのコース形態からいっても、やはり先行馬有利といえそうです。
……で、だからこそ内枠の偶数4番のサザナミ、大外15番ながら先行意欲の旺盛なアルティマブラッドが人気を集めているのでしょう。
しかし、ここで人気馬を疑ってしまうのが私の性。
サザナミ、アルティマブラッドはともに昇級初戦の牝馬であり、オープンの牡馬相手の力負けが心配です。
さらに、サザナミの鞍上はデムーロ騎手。大舞台に異様に強いデムーロ騎手が、次走にG1・皐月賞を控えているだけに、どこまで集中して乗り込んでくれるかは未知数なところがあります。
また、アルティマブラッドの鞍上は若手の松若騎手。
4年目で減量は取れていますが、今回は斤量52kgの利を活かし、大外枠のコースロスもあるだけに、多少のリスクは払ってでも追って追って前に行かせる可能性があります。
他に、逃げられる馬がラズールリッキー、フィドゥーシア、アクティブミノルと不人気サイドに3頭いるため、ある程度かかる馬が出てきてペースが流れる展開も考えられます。
そこで、このレースはあえて「逆張り」して、差し馬に賭けてみることにしました。
物差しにするのは、同じ中山芝1,200mで行なわれたオープン・カーバンクルSです。
前半3ハロン33.2で流れるハイペースで、勝ち時計が1:08.5(良)でした。
勝ったナックビーナスは、のちにG2・オーシャンSで2着と好走しています。
◎オメガヴェンデッタは、カーバンクルSで着順こそ7着と負けていますが、勝ち馬とは0.3秒差。
スプリントとはいえ、大きくは離されていません。
また、近3走はダートを使われており、6着→6着→9着(1.5秒差!)。
過去に阪急杯2着、休み明けのカーバンクルSで3番人気を集めていたほどの実績馬だけに、人気を落としている今回が狙い目と踏みました。
近3走では先行策も試しており、内枠3番から好位差しを狙う可能性もあります。
○コスモドームはカーバンクルSで2着、勝ち馬と0.1秒差を素直に評価します。
大内枠の差し馬は包まれて終わる恐れがあるために非常にリスキーなのですが、そこはギャンブル。
54kgの斤量も手ごろで、決め手のある馬ですから、辛抱強く粘って開いた内を差す競馬を期待します。
☆トウカイセンスもギャンブル性抜群。
牝馬ですが、牡馬相手のカーバンクルSでオメガヴェンデッタに続く0.3秒差8着でした。
ただ、むしろ私が評価したいのは、その前の中山芝1,200m、南総Sです。
外差しが決まらないといわれる中山芝コースで8枠15番を引いてしまいましたが、ミドルペースを差して9番人気を覆す1着。
馬連25万馬券の超高配当を演出しました。
勝ち時計は1:08.9。
次走カーバンクルSではきっちりコンマ1秒タイムを縮めており、前走がフロックではないことを証明しました。
前走・京都牝馬Sで11着と大敗して人気を落としていますが、1ハロン延長して稍重の阪神でしたから、度外視してもいい。
得意の中山1,200mで、斤量もカーバンクルSから2kg減って52kg。
再びハンデ戦の波乱の一角となっても驚けません。